パリ絵葉書(4)



516 PARIS Panorama vers l'Observatoire J.H., 12 Aout 1935

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この絵葉書が撮影された場所の特定は出来ないが(ストリートヴューで調べなくては)、左上に写っているパリ天文台は,リュクサンプール公園の南、マルコ庭園を抜けたオプセルヴァトワール通りの突き当たりにある。マン・レイが「天文台と乳房にも似たふたつの円蓋が---毎日リュクサンブール公園を通り抜けていたときの印象だった」(「自伝」259頁)と油彩『天文台の時刻に--恋人たち』について言及しているのを、知っている者にとっては、貴重な絵葉書かと思う。しかも、消印は1935年8月12日(油彩の制作年は1932-34)。 
 わたしが求めるパリの絵葉書は、マン・レイが最初に暮らした1921.7-1940.8の消印があるもの。有名な建造物ではなく、パリの裏町が写されたもの----Rue de la Condamine, Rue Delambre, Rue Campagne Premiere, Rue Val de Grace であったら最高なのだが。19世紀末から20世紀初頭にかけての絵葉書熱中が過ぎ去った時期にあたるから、あまり見付からないのよね。