アクシオン 第2号


ACTION No.2, 13 Mai 1968. 43.5 × 30cm.
1968年に学生から起こったパリの五月革命とわたしが写真を始めたタイミングが一致しているに最近気がついて、西川長夫の『パリ五月革命 私論』(平凡社新書、2011)を読んでいる。氏の「国内植民地論」と云う指摘になるほどと思い、自己の中に通っている「境界線」の存在を改めて考えさせられている。社会に出ようとした20代の日々と、定年をむかえた現在が、同じような不安をもたらしているのだと思う。「わたしとは誰なのか」の問いがいつもわたしを悩ませる。「マン・レイに狂ってしまった」きっかけに全日本学生写真連盟の鶴舞合宿(1968年)があったのは、すでに告白しているが、どのように、マン・レイと出会い、魅了されてしまったのか、検証の時期にいるように思う。
 今秋に計画しているマン・レイ展では「わたしとは誰なのか」に応えたい気分があり、原点であるパリの五月革命に関するオリジナル資料を取り寄せた(トゥール南部の街、デカルト発24日)。『アクシオン 第2号』には「街路を占拠せよ!」と大きく書かれている。発行日の5月13日を先の西川長夫の本から引用すると「ゼネスト、レピュブリック広場からダンフェール=ロシュロー広場に至る100万人のデモ。夜8時過ぎ、多数の学生がカルチェ・ラタンにもどりソルボンヌを占拠、となるだろう。」(158-159頁)。この時、マン・レイはどうしていたのだろう、わたしはそれを知りたい。