祇園祭を迎える町家の室礼


新町通六角下ル


鍋島絨毯の10枚そろいと金屏風の艶やかさ

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夕方から家人と出掛け、凱旋船鉾(大船鉾)を見学した後、新町通りを上って駒形提灯を目当てに無名舎までブラブラ。北観音山のご町内である吉田家で開かれた、吉田塾2014「第2回祇園祭を迎える町家の室礼〜表現の場としての屏風祭り〜」に参加、「NPOうつくしい京都」のみなさんが準備をされている、外からうかがう店の間の今年の設えは、あでやかな琳派風屏風と明治期の袢纏の幾何学模様。吉田孝次郎氏の「祇園祭りの原点」回帰の力強さがみなぎる空間構成となっている。玄関の粽のおごそかな様子から、光が入る不可思議な主人の間にいたる位置に置かれた屏風、先程のにわか雨のせいか室内に涼しい風が通っている。

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吉田孝次郎氏
第二次世界大戦祇園祭りの山鉾巡行が行えなかった時代を経て、戦後の町の復興を願い再開された北観音山の囃子方として「小学校五年生の時、祭人になったんです。」「食べるものなどない時代でした。」「京都の人達はつましい暮らしぶりなんです。」「先祖伝来の裃を着てお伴する父親の晴ればれした勇姿は、私の目をみはらかす程の立派さでした。」と、御当主の吉田孝次郎氏。「自分の楽しみでやっているのですが、来年は本阿弥光悦徳川家康から鷹峰の領地を拝領して琳派が起こってから400年の節目、それで、当家にある琳派風の屏風を飾らせて頂いた。そこに、明治時代の雑色衆や中御座神輿を担ぐ三若衆の袢纏の幾何学模様を対比させていただいた。」

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胴懸東面 トルキスタン絨毯

見上げると真松には尾長鶏

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店の間の二階から、駒形提灯に灯がともった北観音山を拝見。コンチキチンと祇園囃子が聞こえてきます。まだまだ、宵々々々山なのですが、気持ちが高まります。

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ビールが美味しゅうございました。