アルフレッド・ジャリ著『ドラゴーヌ』川村均私家版

22 × 15.5 × 2.5 cm 275 pp.

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 先日、午睡書架で、あるブックハンターの見つけた手造り本を拝見した。私家版・非売・限定三〇部、2014年12月刊。難解なジャリを邦訳し書物の形で世に残した行為は銀紙書房と同じではありませんか、奥付に「使用機としてWINDOWS7 WORD2003・2010 CANON PLXUS6530・LBP6240」と記しているし「ぶったまげ」ました。訳者の川村均さんを存じないが、ネットでくぐると『青盲論トリアノピア』(2004年、限定30部)、『半島記』(2006年、限定30部)、『TYPOLAGIA』(2008年、限定30部)、『反転地、パラバシスのための──半島記(Ⅲ)』(2010年、限定30部)、『半島記』(2013年、限定30部)、『藪のなかで、熱くも冷たくもなく』(2020年、限定33部)などを刊行されている。いずれも洒落た装丁で箱入、佇まいもよろしいな。昨今のZINEブームや出版コスト見直しで、安直な書籍が多いなか、こだわりの仲間を紹介されたようで、嬉しい。