チョウの軌跡──長谷川三郎のイリュージョン at 京近美

 
 友人から頂戴した厚手用紙に蝶の軌跡を連想させる穴が空いたチラシが気になって京近美の展覧会を拝見した(10月5日〜12月17日迄)。「『みる』ことを中心としてきた美術教育のあり方を問い直し『さわる』、『きく』などの感覚を使う」試み。「長谷川三郎の抽象絵画から受ける目に見えない気配のような感覚」を中村裕太、安原理恵、松山沙樹の3氏が文献資料、動物行動学などから検証し「触図」を作り出した。チラシによると「触図」は、「作品の構図や色合いなどを触覚情報に変換・翻案して表した図」とのこと、「新たな美術鑑賞プログラム」の取り組み、『感覚をひらく事業』であるそうな……

(右から)小出楢重『卓上静物』1928年、村井正誠『Ile de la Cité』1939年、ピエト・モンドリアンコンポジション1616年頃、ジャン・アルブ『アラビア数字の8』1923年、瑛九『デッサン』1937年、吉原治良『作品』1936年など

長谷川三郎『蝶の軌跡』1937年

チラシを光に翳してみる……

中村裕太『チョウの軌跡』2023年

● 会場では大判(51.4 × 72.8 cm)のハンドアウトが用意されている。ウィキによるとハンドアウトは「講義や講演で聴衆に配布しておく事前資料、講義の内容を補足するテキスや、講義内容の出展などが記され」たもの。

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16:14 二条大橋西詰