2007.1.1-2.3- マン・レイになってしまった人


February 3, 2007

 今日は節分、北北西の恵方に向かって無言で海苔巻きを食べた後、鰊と畑菜の辛子和えでビール、それから豆を11個(5+6)口に放り込む。わたしの学区では壬生寺でのほうらくが定番だが、終日の銀紙書房作業。やっと一冊仕上がった。今回の『青い言葉と黒い文字』は上製本としたので、ずいぶんと試行錯誤した。製本をする人がたっぷりボンドを付けてと書かれることが多いが、そういった作業となった。手順や寸法をメモしながらで、改善点も多々見つかった。物作りは、始めると周りが見えなくなるので困る。溶剤の為か、喉が痛い、
  
  
January 22, 2007

 帰宅時、地下鉄竹田駅で発車まぎわの車両にダッシュで飛び乗ったのだが、車内で伊丹十三の文庫本『女たちよ!』を読み始めたら、我を忘れてしまい、四条駅から丸太町まで二駅も行き過ぎてしまった。読んでいたのは53頁のあたりで「人間が、人間の尊厳を保ちながら生きることのできる唯一の場所」アイルランドで、酒場の親父が、お巡りに酒を一献差し出し「まあ道中のために一杯」といった話。ピーター・オトウールは良いな、伊丹さんも良いな、でも、もういない。
  
   
January 21, 2007

 銀紙書房新刊『青い言葉と黒い文字』の作業にかかりっきりで過ごした土・日で、4セットの印字を終わらせた(1セットは残ってしまったが)。今回、印刷は順調にやれるが、画像データが重くてしばしばフリーズする。画面をにらめっこで作業していたら、しまいには気持ちが悪くなってしまった。今もそんな状態なので、11時だが寝ることにする。「お休みなさい」 
  
January 11, 2007

 夕方7時に歯医者へ、帰宅してからビール、そして、柚子風呂に入る。良い香りが身体を包んでくれて、浴槽で寝てしまいそうになった。
  
   
January 10, 2007

 Man Ray and Other Master Photograpers
 at Shanghai Art Museum Jan. 19 -30 2007
  
      
   

 

 


   

上海美術館で開催される「マン・レイと写真の巨匠達」展の案内状が届いた。19日から始まるが、およそ200点が出品されるという。ソウルに続き、上海でも写真ブームが加熱しそうな予感。中国語でマン・レイ「曼・雷」と表記する。この国には、わたしのような「マン・レイ狂い」が登場するだろうなと、恐ろしい気分になっている。
   
   
January 8, 2007

 金曜日にヤフオクのアラート設定でマン・レイの珍しいカタログが出品されているのを知った。もちろんコレクションしている物(*)なので、様子眺めだったのだが、将来の展覧会を考え、ある価格ならば落としたいと成り行きを見守っていた。本日夜に終了したのだが、なんと、入札回数26回となり、93,000円の値がついてしまった。ネットでは1万円を超すビットはしない事にしているわたしとしては、あきれると同時に、日本のどなたがこれから、コレクションされていくのかと気になるところである。パリ・セーヌに関わるようなハンドル・ネームを持つ最高落札者の、4点目の品物であるような様子。おめでとうございます。

* 資生堂での「マン・レイ展 まなざしの贈り物」に提供した、イオラス画廊の回転扉のカタログで、パンパンのマルチプルが表紙に付いている。

 銀紙書房新刊「青い言葉と黒い文字」については、本番用紙での出力を終了し、写真の調子などの最終確認段階となった。
  
  
January 6, 2007

 連休初日は朝から雨。元旦から続けた作業が一段落し銀紙書房新刊の最終校正を終えた。全180頁の校正は、読み返すたびに、見落とした誤字・脱字・勘違い・不統一を発見するので恐ろしい作業だが、いつかは終了しなくてはならないので、この辺りとしたい。今回もページメーカーの表示倍率を200%にして0.5ミリの微調整を続けた、数日続けると眼がバカになってしまう。老人の眼病が待ちかまえているから、こいつが恐い。あまりに熱中したので、瞼のあたりがヒクヒクとしている。晩御飯を食べてビールを飲んで、休憩しよう。サンプルを手にとってにんまりし「わたしは天才じゃないかしら」と今宵も思ってしまうんだよね。

 お造りと数の子でビール、それからすましの雑煮。食後に知人宅からいただいたミカン。ちょっと酔っ払って「めちゃ×2イケてる!」の中井君を見ながらゲラゲラする。

 居間に置いてあった四柱推命で今年の四緑木星を読んだら、「○」で最高の運勢となっていた。「物質運に恵まれ、考え方も前向きで新しい企画をたてたり、生活面の転換を計画し成果が上がる時です。注意すべきは、金運は良い様でも出費がオーバーになり、収支が合わない傾向にあります。まず計画性を持ち、自分のプライドに振り回されない様、予算内で物事を進めていくことが良い結果につながります」とある。そして「健康面では胃腸、歯のチェックをすること」と結ばれていた。占いは自分に都合が良いようにしか読まないし、すぐに忘れてしまうけど、「○」だから覚えて注意し、具体化へ準備しよう。当たっているのかな----年末に歯医者に通い始め、治療の最中なので、なるほどと思った。金運はよいけど買いすぎてしまうか、どんなマン・レイが今年は手に入るのかと楽しみになってきた。この占いセレマの小冊子だけど、四緑木星の適職欄に「紙工、デザイナー、書籍商(新・古)」があげられている。
   
  
January 3, 2007

 もちろん今朝も銀紙書房のデザイナー・モード。昼食後、氏神様の元祇園梛神社にお参り、お隣の隼神社にも柏手を打ち「幸せへのお願い」、そして、御神酒(月桂冠)をいただく。おちょこ一杯だけど良い気持ちになった。帰宅し作業の続き、家人達が出掛けているので、一人、ソニー・クラークを聴きながらカラー・ページのテスト印字も行う。インキの消耗を考え本番モードでの確認作業---結果はまずまずの仕上がりとなり、貼り込みではなく本番でも仕える目処がついた。


January 2, 2007

 今朝は雨が降っていたので寝室が暗く、10時過ぎまで寝てしまった。珈琲を煎れて気分を整え、すましの雑煮を食べた後、銀紙書房本の作業を続ける。本日はページ表記のデザインと写真差し替えを100点ほど行う。しかし、夜の白味噌じたての雑煮をいただくころには酔っ払ってしまったので、作業が雑になってしまった。


January 1, 2007

旧年中はお世話になりました。 
本年もよろしくお願いいたします。

 昨年は、春先からマン・レイに関するイベントが続き、11月の韓国ソウル・バンガラム美術館における「マン・レイと世界写真歴史展」でピークとなった。出品点数500点あまりの大規模な写真展でマン・レイの写真と資料もおよそ130点。わたしも頼まれてエッセイをカタログに発表しオープニング・レセプションにも出席した。久しぶりにソウルの街を歩き美味しい物を食べ、国立博物館弥勒菩薩を拝見した。街が活気にあふれ、写真がますます注目されるであろう予感を感じた。展覧会はこの後、再構成され上海へ巡回するとの話。競争相手のコレクターが韓国や中国で登場してくるだろうと不安に思った。若い人達が追い掛けてくると感じるのも面白い、わたしとはちがったマン・レイ感を聴かせてもらえるのも楽しみだ。

 銀紙書房本では、数冊の刊行計画をかかえ、順調に準備を進めている。限定8部本の後には、皆さんにお示し出来る画期的なマン・レイ本が刊行出来る予定。これについては順次、報告いたします。

 コレクションについては、とても充実した2006年だった。内容については、いずれお披露目する機会があるだろうから、その時まで、お待ち願いたい。ここでは、展覧会資料について列記したい、特にニューヨークのショップで見付けた展覧会ポスターは特筆すべきもの、見つかり始めると、どんどん続き、嬉しい悲鳴を何度もあげた。

年末の京都写真クラブ主催の京都写真展(ギャラリー・マロニエ)には、15点の組写真で『マン・レイの謎、その時間と場所。』を出品。ストレートだったので、わたしのマン・レイへの憧れが直接観ていただいた人達に伝わった様子で、好評をいただいた。コンセプチャルなものより写真本来の力を感じた。さて、12ヶ月先だが、2007年度はどんな写真にするかと、元旦から考えている。もっとも、ヨッパライながらだけど---

 このように、マン・レイにどっぷり浸かった1年を送ることが出来たのも、家族を始め友人知人のおかげだった。みなさん有難う。

マン・レイ狂い

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New Collections in 2006.

Catalogues; 
Man Ray Pourquoi pas ?, Galleria D'Arte Contemporanea Genova, 1971. 
Man Ray, La galleria Solferino, 1974. 
Man Ray, Salas Pablo Ruiz Picasso, 1982. 
Man Ray, Mulier Mulier Gallery, 1996. 
Man Ray FOREVER, Galerie Francoise Paviot, 2006.

Posters; 
LES INVENDABLES DE Man Ray, Galerie Alphonse Chave, 1969. 
DANGER, Hanover Gallery, 1969. 
Man Ray, Galleria del Cavallino, 1970. 
Man Ray, Galleria il fauno, 1972. 

Invitations; 
Man Ray, Hanover Gallery, 1969. 
Man Ray LA BALLADE DES DAMES HORS DU TEMPS, XXe Siecle, 1970. 
Man Ray, galerie jurka, 1972. 
Man Ray 40 RAYOGRAPHIES, Galerie des 4 Mouvements, 1972. 
Man Ray Galleria il fauno, 1972. 
Man's Men, Zabriskie Gallery, 2006. 
Man Ray In the age of Electricity, Heckscher Museum of Art, 2006. 

Books; 
Man Ray, Pierre Descargues, 1991. 
Noire et Blanche de Man Ray, Alexandre Castant, 2003. 
Man Ray, Ingrid Schaffner, 2003. 
EROS & FOTOGRAFIA, Man Ray, 2003. 
L'Atelier de Man Ray, Maxime Godard, 2005. 
Man Ray Magies, Valerio Deho, 2005. 
The Studio of Man Ray, Ira Nowinski, 2006.

Periodicals; 
CAHIERS G.L.M., Novembre 1936. 
ASAHI CAMERA, January 1937. 
PHOTO GRAPHIE, ARTS ET METERS GRAPHIQUES, 1938.

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 お正月なのでおせち(もちろん田作り、数の子、黒豆からいただき)に冷酒、それからエビス・ビールを飲む。11時に届けられた年賀状を確認し、いくまいか書いて投函する。それから家人達と烏丸丸太町上ルの護王神社へお参り。酔っ払っていたので、バスの中でつり革にぶら下がっり、うつらうつとしてしまった。 

 12年に一度のいのしし年なので境内はすごい人の列、参拝するまで1時間は並ぶ。幸い今日の京都地方は良いお天気なので気持ちよく順番を待つことが出来た。--- 願い事を書き入れ座立亥串をささげる。帰宅してから和菓子に日本茶をいただき一服。それから、銀紙書房本の作業を始める。