「日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964」展


名古屋時代の古い友人から楽しい連絡が入った。愛知県美術館で始まった「日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964」展(12月13日迄)にコレクションする東松照明の写真集8冊を展示用に貸し出したとの事。わたしと彼のような側の写真学生にとって東松照明は神様のような存在。氏の写真集に影響されて写真人生を始めたと告白しても間違いではない。友人は、内的要請から写真集を集めて35年、重要で貴重なラインナップでありながら、今まで知られてこなかった。東京の金子隆一、愛知の○○と、学芸員たちから求められる時代が来たことは、共に写真集を探し求めた友人としてありがたい。日常で気楽に手にとって対話してきた写真集がケースに入れられ、おすまししている様子を見るのは、客観的な眼を自身に持たせる有用性と気恥ずかしさが入り交じって、ニヤリとしたであろう友人の表情を想像するのは面白い。現時点で仮に日本の古本屋で求めるとすると合わせて100万円以上の値段になるだろうラインナップを以下に紹介させていただく。

「hiroshima-nagasaki documento 1961」 原水爆禁止日本協議会 1961年
「<11時02分>NAGASAKI 」写真同人社 1966年
「日本」写研 1967年
「サラーム・アレイコム」 写研 1969年
「OKINAWA 沖縄 OKINAWA 」写研 1969年
「おお! 新宿」写研 1969年
「戦後派(フォトシリーズ映像の現代5)」中央公論社 1971年
「I am a King」写真評論社 1972年

 愛知県美術館の展覧会は 「戦後日本の写真界を代表する11作家の写真から、厳選された168点のモノクロ写真を紹介し、彼らの芸術性豊かな写真から、戦後の社会をたくましく、希望をいだいて生きる人々の姿を見る」というもの、東松照明の他、石元泰博、濱谷浩、奈良原一高細江英公、川田喜久治、林忠彦田沼武能らの仕事を知ることが出来そうで、月末に帰省し展覧会を拝見したいと思っている。