古川弓子とマキカオルの二人展 at OZASAHAYASHI


古川弓子『灰かぶり』The Mallet of Luck (ウチデノコヅチ)

同 左下 Cinderella (灰かぶり)

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秋の美術シーズンが始まった。若い作家のシーズンとも言える清々しい季節の到来である。京都市下京区堺町通二条上ルのOZASAHAYASHIで始まった気鋭の作家、古川弓子とマキカオルの仕事は、考え抜かれた思考の痕跡を、視覚で再現している。40歳前後の女性には、精神と世界はこのように見えているのだと思った。展覧会は10月24日(土)までの火曜日から土曜日、13:00〜19:00のスケジュールで開かれている。
 古川の樹脂を使ったオブジェが透明性とガラス的なエッジを持って示すのは、シンデレラの楽しい物語の奥行き、小槌を持つには腕力が要ると思う、神話の引用にバイパスが掛けられているのは迫力あるな。一方、マキの扱う光は「アイスランデイックブルー」の側に偏光して、窓辺の風に揺れている。彼女のブルーが、個性として語られているのを、コレクター達は知っている。日本でも、そうあって欲しい。
 本日は18時からオープニングレセプションが催されているが、よんどころない事情で動けず残念。お二人と言葉を交わす事ができたら、これとは、違った解釈になるだろうか。いや、それはない、作品と作者は同じだと、わたしは思っている。

マキカオル『Between Mirrors』Between Mirrors (Thingeyri) (左)と Between Mirrors (Guobjorg#1)  
題名については、フォントの関係で発音記号を調整しておりません