マーク・マーフィとリタ・ライス


MARK MURPHY IN MIDNIGHT MOOD

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1972年に就職して京都に移り住んだ頃、河原町のジャズ喫茶「MOUS-TACHE」でいつも掛かっていたのが、このレコード。マーク・マーフィは1932年のアメリカ生まれだけど、母国では人気が出ず、本アルバムも1967年冬、ケルンでの録音。休日の午後、一人で珈琲を飲みながら「ジャンプ・フォー・ジョイ」から「ひとりでもだいじょうぶ」までを聴いていたっけ、下段のリタ・ライスの一枚は、「コットン・クラブ」ででも聴いたのかしら、彼女の歌声のような音域に弱くて、しびれながら、水割りを呑んでおりました。

 さてさて、2015年も終わろうとしています。眼の記憶は脳に繋がり、耳の記憶は心に響く。消えていく音だから、時間とともにあるのだろうか。彼女が歌う、あの人が話す、再現できない声が耳の内から流れてくるように思う。涙も顔の表面ではなく、内側に落ちてきていると感じる。---ありがとう(15:05)。



jazzpictures at an exhibition