岸田良子展「TARTANS」at galerie 16

8月20日(木) コロナ禍の影響で開催が延期されていた岸田良子さんの個展「TARTANS」を拝見(29日まで )した。炎天下の午後、自転車移動なので汗が流れ、サウナ状態での鑑賞かと予測したが、彼女の仕事は知的で涼を感じさせてくれた。スコットランドの風土から生まれた意匠によるのか、冬の外気が作品の表面をおおっている。2010年から続けられている仕事は、サイズを統一して1年に10点、キルトのモチーフを「筆を使わずに油絵具、ペインティングナイフ、マスキングテープを用いて制作」されるそうだ。しばらく作者と世間話、お互い元気でなにより。

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左から「MACDUFF」「MONTGOMRY」

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左から「HAMILTON」「HENDERSON or MACKENDRICK」

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 サブ会場には1984年発表の作品『住宅地図』が展示されていた。5000枚ほどの住宅地名がラミネートカードに封印されている。感染防止対策として「使い捨て手袋」が支給され、「素手で作品に触れないよう留意」されているので、昔、手にした感触を思い出しつつの拝見となった。コロナ禍が終わることを願う。

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