『マン・レイのタブローと島々のオブジェ展』 at シュルレアリスム画廊

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マン・レイのタブローと島々のオブジェ』展案内カード 9.3 × 13.4 cm 片面刷り

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裏面

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 京都産業大学の長谷川晶子さんが「アンドレ・ブルトンが企画したとされる『マン・レイのタブローと島々のオブジェ』(1926年3月26日〜4月10日)はシュルレアリスム画廊のオープニングを記念する展覧会であることから、その展示方法は念入りに構想されたはずだ。展示室の写真もこれに関する詳細な証言も残されていない----」(水声通信23号、2008年)。氏の論考は「シュルレアリスムにとって、展覧会は作品、雑誌と並ぶ重要な表現媒体だった」(同)と書き始められているので、わたしは嬉しく、同時期の「植民地博覧会」や「反植民地博覧会」などとの関連を記述され極めて興味深い。このブログでは一助として架蔵するシュルレアリスム画廊の開廊案内カードを紹介したい。 
 ブルトンの『シュルレアリスム宣言』の表紙の色ではありませんかと思ったので、カード探したのですよ、何十年も(大げさ)。展覧会のカタログはたまに市場に出るけど、エフェメラは紙くずみたいで、だれも手に取らない、なので、残らない。パーティーの招待状みたいで、印刷所の残紙で刷ったのかと想像するのが楽しいのですよ、臨場感があって。

 

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2019年4月のジャック・カロット街(グーグルストリートビューから引用) カルチェラタンの有名なカフェ・パレット、この建物か隣接するクリーム色の画廊かが、シュルレアリスム画廊のあったところですな。 

 1926年3月26日の真夜中、「Minuit」とすると夜の12時半でしたっけ、「太陽も川の流れも地球も、鏡の裏箔も星々もない、苦情も祖国も何もない、疲れを知らず心なく単純で貴方もいない」(意訳) 無い無い尽くしの世界へ突撃するのは、興奮するでしょうね。

 

 

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● 拙宅近くの京都産業大学ギャラリーで開催されている『シュルレアリスムと雑誌』展に刺激され、石原コレクションでのミニ展示を試みた。左より1965年のシュルレアリスム展『絶対の隔離』ポスター、『マン・レイのタブローと島々のオブジェ』展(1926年)の案内カード、そして、学生さんたちが造られた産大のチラシ。 FBでも先日紹介 →

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