マン・レイ: イタリアの小さなカタログ ジェノヴァ 1971


15.1 × 11.1 cm, 16 pp.

---

Galleria d’Arte Contemporanea. Man Ray Pourquoi pas ?    October 16–29, 1971. Catalogue,  List of 13 works: Paintings, objects, photograph, sculptures, and watercolors. Text by Janus.

 Pourquoi pas ? って、「なんでダメなん」じゃなくて、「もち、オッケー」のニアンスだから、マン・レイにピッタリ。お誘いのカタログが黒いボール紙の表紙にラベルを貼った可愛らしさで、おしゃれ。イタリアのカタログ、特に1970年代に街の画廊で催された展覧会のそれは、フランス風のエスプリと異なる独特の気安さ、親しみにあふれている。ジェノヴァトリノ、ミラノ、ヴェネツィアなど北イタリア文化圏に顕著な精神であるかもしれない。

 ブログ「マン・レイと余白で」の6月は、イタリアの小さなカタログを案内役としながら街の様子なども紹介したい。石の国は半世紀の後も当時の雰囲気を留めているのです、ご期待ください。


piazza delle vigne 22 r. - 16124 Genova

---

 モナコの北東、リグリア海に面する港湾都市ジェノヴァはイタリアの金融業の中心としての長い歴史を持つ。港近くのサンタ マリア デッレヴィーニエ教会前の広場に面した「Tipografia Araldica」が現代美術画廊のあったところと推測。活版屋さんのようで地元の書込によると50年以上の歴史を持ち、紋章、名刺、招待状など素材と職人技で最高品質の手造品を提供するという。上掲のマン・レイカタログの成り立ちにも合点がいきます。

2019.5 グーグル・ストリートビューから引用 (感謝申し上げます)