8日(木) サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会


 昼食のレストランからドゥオーモを挟んだ反対側、フラテッリ・ルッフィーニ通りに入り、小学校と幼稚園を左に観て教会の広場に出た。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は第二次世界大戦の空襲で多大な被害を受け修復したためか正面部分の煉瓦が新しい印象で、拍子抜け。カタログなどによると1469年に完成されたゴシック様式の教会で、1492年に改築を任されたドナート・ブラマンテはダ・ヴィンチより8歳年上、両者の間に交流があったと考えられている。

16系統 4916 聖堂の直ぐ横をトラムが往来しているけど、振動大丈夫かと「撮り鉄」は心配します。

---

 


 入場は完全予約の時間厳守で手荷物検査の他パスポート照合、鑑賞時間15分の完全入れ替え制。団体鑑賞の場合など、予約者の欠員があると全員不可の場合ありと聞いた。厳しいけど仕方ないですな、チケットがイエスを囲む12使徒の意匠で遊び心を感じる。


 待機のタイミングで半円アーチを持つ回廊からパチリ。「聖堂は三角形のペディメントのある窓、上部は半円アーチをそなえた優雅な外回廊ルネサンス様式を強調する円蓋」

---

 

 
 北壁面 レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』 教会は「第二次世界大戦の空襲で多大な被害」を受け瓦礫の山となったが、本作のある食堂壁面は土嚢を積んでいた為、かろうじて損傷を逃れた。しかし、今、眼にする空間は現代的なホワイトキューブ、歴史を遡るには眼の訓練が必要のようだ。


 布施英利の著作『ダ・ヴィンチ、501年目の旅』によると、以前は撮影禁止だったが、「ここ数年の世界の美術館の動向に倣ってか、撮影自由となっていた」パチリ好きに、これはありがたい。解釈の糸口が見つかるかしら……

---

 

南壁面 ドナート・デ・モントルファノ『十字架磔刑図』1495年

---


 洗浄室(人間の)での待機を経て開放され、売店で絵葉書を求め室外へ。鑑賞報告をしたい友人、知人の顔が浮かぶ。