『マン・レイ: オブジェが夢見る時』展 at メトロポリタン美術館

The Met to Present First Major Exhibition on Man Ray’s Media-Crossing Experimentation and his Radical Reinvention of Art through the Rayograph - The Metropolitan Museum of Art


 ニューヨークのメトロポリタン美術館で9月から始まるマン・レイ展の概要が分かってきた。5月1日アップのプレスリリースによると同館一階199室を会場に9月14日〜来年2月1日迄の会期で、よく知られたイメージを中心とした60点以上のレイヨグラフと100点の絵画、オブジェ、版画、素描、映画、写真によって構成される。マン・レイの「メディア横断的でラディカルな」レイヨグラフの仕事がダダやシュルレアリスムの仕事とどのように関連しているかを詳細に研究した成果が開陳されるという。
 60点以上のオリジナル・レイヨグラフ(ヴィンテージ)が一同に会するのは素晴らしいと思う反面、個々のプロミナンスなどの正しさは保証されているかと、気にかかる。ニューヨーク近代美術館蔵のプリントを見た時には感激したが、ほとんどの場合、「古い・ヴィンテージ」とクレジットされていても、制作当時の複写プリント(『妙なる野』でも)だったので、不安がぬぐえない。

 もしも、未見の油彩が出品されるなら、ニューヨークまで出掛けたいと思うので情報を探しているところだが、プレスリリースにあるのは、オブジェが『贈り物』と『破壊されるべきオブジェ』、写真が『アングルのヴァイオリン』、エアブラシの『ANPOR』(1919年)、油彩の『スウェーデン風景』(1926年)、リメイク版の映画3本となっている。それで同館がコレクションしているマン・レイの油彩作品を確認すると『The Mime』(1916)  61.6 × 46 cm Gift of Everett B. Birch, 1982
 Man Ray | The Mime | The Metropolitan Museum of Art と
Flying Dutchman』(1920)  48.3 × 64.8 cm Gift of Elise and Charlie Brown, 2017
 Man Ray | Flying Dutchman | The Metropolitan Museum of Art  の2点。レイヨグラフ以外の100点に期待できるのかしら、1920年代の写真の仕事で多忙だった時期の油彩に、ニューヨークへ出かけるほどの訴求力があるのか、この先、拝見する機会があるのかなど、検討をしております。

 尚、ステファニー・ダレッサンドロとスティーブン・C・ピンソンによるカタログは360頁、図版300点、メトロポリタン美術館発行/エール大学出版局販売とのこと、予約のポチリをしましたが、手にするのは10月に入ってからだろうな、それから旅行の準備は、タイトですな。