欧州巡回(オランダ、フランス、デンマーク) 回顧展 1971年〜72年

愛しのマン・レイ展 出品: 324, 330, 331, 333 / 328, 329, 332 / 323, 326, 325, 327

 マン・レイが評価されるようになったのは、ダダ発足50周年が過ぎてからで、仲間の芸術家を撮った肖像写真からだと思う。しかし、本人は回顧展での写真展示を拒否し「写真家」としてレッテルを貼られることに異議をとなえた。1966年にカリフォルニアで大規模回顧展が催された時も、レイヨグラフ以外でそのように振る舞ったという。しかし、80歳を過ぎ写真の出品も認めるようになってから、独立独歩で自身が描きたいものを描きたいように描いた画家の全体像が分かるようになった。1971年から72年にかけて欧州3カ国の公立美術館を巡回した展覧会で、人々はマン・レイの生涯を貫く「自由な発想」に気付くのである。

 巡回は1971年9月24日〜11月7日 ボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館(オランダ・ロッテルダム)、1972年1月7日〜2月28日 パリ国立近代美術館(フランス・パリ)、1972年3月18日〜5月7日 ルイジアナ美術館(デンマークコペンハーゲン)の3会場。出品は油彩(1-57)、コラージュ(58-78)、素描等(79-135)、オブジェ(136-220)、レイヨグラフ(221-244)、クリシュベール(245-247)、写真(248-270)、版画(271-278)、書籍(279-282)。

 筆者は巡回展を理解する為、各会場のエフェメラに注力している。未見が、まだ、ある気がするのですよ。

 

* 会場撮影は関係者の許可をいただきました。感謝申し上げます。