南山城の古寺巡礼




良いお天気の中、家人と京都国立博物館で開催中の「南山城の古寺巡礼」展を拝見した。マイナーではとの先入観だったけど、これが、どうして良い展示、格子戸からかいま見える十一面観音立像(No.,73 禅定寺)の迫力もすごく、薬師如来座像(No.68 浄瑠璃寺)の下唇の艶やかな赤色や日光菩薩立像(No.95 神童寺)の体型の土着風が、新鮮な感じだし、愛染明王座像(No.93 )の愛欲を悟りに導くお姿なんて、帰依せねばといった感覚で、いずれもが身近な仏さまたちだった。展示ケース下段の採光を考えたガラス板の設置などの効果で、美しく凛々しいのかしら。「天引愛染」のお姿がにすがって、わたしも悟りをせねばと思って拝見しました(合掌)。

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 それにしても、平成知新館にまつわる水の扱いに危惧する部分を多く感じた。湿気に弱い木や紙といった素材を、どうやって守るのかしら、収集家としては、こうした環境に作品を貸し出ししたくないと思う、建築家の自意識過剰(設計: 谷口吉生)は、いつも困ったものだ。