再現・ギャラリー16 1985.7.2-7


国立国際美術館

森村泰昌: 自画像の美術史--「私」と「わたし」がであうとき』4月5日(火)〜6月19日(日) at 国立国際美術館

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展覧会場の入り口に掛けられた『自画像の美術史(レオナルドの顔が語ること)』にひきこまれて歩き始めるとしたら---展覧会看板の右側にある小さな入り口を見過ごしてしまった人は多いと思う(わたしがそうでした)。あとで気が付いてビックリ。閉じられた空間に1985年のギャラリー16(京都三条大橋東詰め)が再現されている。画廊で何度か言葉を交わした木村浩さんも出品されていた若い作家三人による『写真展 ラデカルな意志のスマイル』が開かれたのは、7月2日〜7日のおよそ1週間で、この時、わたしは森村作品に惹かれ、買いたいと思った(もっとも、思っただけで行動にうつしていないのだから凡夫の凡夫たるゆえん)。だから、その場の記憶が強く残っている。石原のピント、木村のブレは、写真史の文脈とつながっているようだが、森村は独創的。ただ、「だれかに成り代わるセルフポートレイト」のスタイルでは、シンディ・シャーマンの前例に軍配をあげていたわたしの目に、自己癒着の度合いが強く感じられ、躊躇してしまったのである--としておかなくちゃ。

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『写真展 ラデカルな意志のスマイル』案内状 (デザイン: 森村泰昌)

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石原友明「Untitled」1985/2006

森村泰昌ゴッホ」「肖像(カモーユ・ルーラン)」1985(国立国際美術館蔵) ほか

木村浩「あほばかまぬけ」1985