『マン・レイへの写真日記』刊行のお知らせ


マン・レイへの写真日記石原輝雄著 銀紙書房 2016年刊
限定25部(著者本2) 240頁 限定番号・サイン入り 写真232図(カラー1) サイズ 21x14.7cm 著者自装(パピヨンかがりによる手製本) 本文; Aプラン・アイボリーホワイト 47.50kg 表紙; ケンラン・モスグレー 265kg 表紙カバー; キュリアスIRパール 103kg 印刷; エプソンPX-504A

    • -

東京南青山にあるギャラリーときの忘れもののブログで、二年間連載(2014.4〜2016.3)させていただいた『マン・レイへの写真日記』が単行本となりましたので、銀紙書房刊本の愛好家の皆さまにお知らせいたします。
 今回の本も、銀紙書房スタイルを踏襲し、著者による装幀・印刷・造本で送り出しております。ブログの連載では、自由に画像を紹介出来ましたが、紙面の制約から掲載作を厳選する結果となりました。しかし、かえって想像力が湧き、読む楽しみに貢献できたのではと思っています。はかなく消えてしまう「エフェメラ好き」の著者としては、ブログの形態も魅力的ではありますが、これは、再現不可能な世界、心の拠り所とはなりにくい面を持っていると感じます、すでにブログもフェースブックも時代遅れとなり、ラインやインスタグラムと云った局地戦で情報発信をするスタイルが支配的な昨今、数年の後にマン・レイを取り巻く状況を知ることなんて、出来ないし、意味もないと、多くの人は思うだろうな。マン・レイが生きていた時も同じだから、これはしかたがないか(愚痴ってはいけません)。でも、わたしは「今この時」を残したい。そして、多くの方々とマン・レイの魅力を共有したい---と考えて、単行本といたしました。

 お知らせして直ぐに在庫切れとなりました。皆さまご注文ありがとうございます。



タイトル頁 扉図はコレクション第1号となった版画につながるマン・レイの写真『アンナ・ド・ノエールの肖像』

    • -

 ブログでの連載は第1回の「アンナ」から始まって「シュルレアリスム展」「ヴァランティーヌの肖像」「青い裸体」「ダダメイド」「プリアポスの文鎮」「よみがえったマネキン」「マン・レイになってしまった人」「ダニエル画廊」「エレクトリシテ」「セルフポートレイト」「贈り物」「指先のマン・レイ展」「ピンナップ」「破壊されざるオブジェ」「マーガレット」「我が愛しのマン・レイ展」「1929」「封印された星」「パリ国立図書館」「まなざしの贈り物展」「マン・レイ展のエフェメラ」「天使ウルトビーズ」、そして、最終回の「月夜の夜想曲」までの24編で、マン・レイ作品19、展覧会4、出版1の構成。単行本とするにあたって、とっておきの未発表作2編を加えております。
 サラリーマン・コレクターの半生を振り返る個人史といったところですが、「時代の証言」といった大げさな意味を見付けることも出来るかと思ったりします。未発表作は、購入していただいた方へのささやかなプレゼントとご理解ください。


12-13頁 「アンナ」の章

40-41頁 「青い裸体」の章

    • -


帯表; 愛子さん、京都の石原さんが欲しがっている。彼なら大事にするから。---と綿貫さんが伝えてくれたのかしら? 帯裏 ;マン・レイに狂ってしまったコレクターが、悲喜こもごもの半生を振り返る。治癒薬の見付からない現代人の病。本書は病例報告であり、「他の人にはお勧め出来ない」と筆者は語る。ブログ未発表を加えての全26編。限定25部。

    • -

 表紙に使った写真は、宮脇愛子さん旧蔵の『月夜の夜想曲』を外す亭主・綿貫不二夫さん。撮影日を改めて確認すると4年前の2012年7月7日18時17分。月日の経つのは早い、早すぎる。未紹介のマン・レイ作品やエピソードもまだありますので、書き続けたいと思う反面、収集の現場から遠ざかって静かに研究者の道を究めたいと思ったりします。まだまだ「本」を書きたいですからね。