マン・レイ アーカイヴも視野に


INVITATION CARD 17.5 ✕ 11.9cm PHOTO DADA MAN RAY, 1-16, Dec. 1978 at ZEIT-FOTO SALON

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ネットで画像検索をしていたら、第二次『文学』各号の頁が詳細な画像で公開(アイオワ大学)されているのを発見し、唖然とした。これまでの復刻版印刷などと異なり、オリジナルから起こした「頁」画像にはリアリテイがあって、表紙から最終頁までクリック出来るのは眼福である。それで、高価になりすぎた「現物」のコレクションを諦めた身にも、光が差し込んでくれると期待しつつも、「これはなんだろう」との疑問がもたげた。デジタルアーカイヴから、過ぎ去った時間、筆者たちの「現実」を、情熱的に受け取るのは可能なのか? ちょうど名古屋で出ている芸術批評誌[リア]の39号が「アーカイブは可能か?」と問題提起をしていたので、喫茶店に入って読んだ。わたしの「マン・レイ・コレクション」の行末をアーカイブに見出すのか否か、そろそろ、方向を決めなくてはいけない時期だと思う。--- 企業内DB構築の実務経験があるわたしとしては、機械を継続的に更新続ける歪に戸惑いがある為、「京大カード」のゆるやかさが性に合う。バーチャルな空間にあるDBは、抹消されたり書き換えられたりするのですよ(検証方法はクローズされているし)。ともあれ、[リアル]誌には、「調査研究の共有」や整理にあたっての「出所、原秩序尊重、原型保存、記録、国際標準記録史料記述」と云った原則など幾つもの重要な問題提起があった。銀紙書房からマン・レイの油彩レゾネ(Man Ray Equations)や展覧会資料のコレクション目録(Ephemerons: Traces of Man Ray)を上梓した時の単調な作業を再開する、情熱を再び燃やしたいと思っている。これは、『石原輝雄 初期写真 1966-1972』の後の仕事。並行してやらねばならない。



芸術批評誌[リア] No.39 2017.4.20発行 450円+消費税