光誕祭 第127回


Self Portrait 1916/1970 ed.21/40

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今日、8月27日は生きていれば127歳となるマン・レイの誕生日。昨年はネット環境が悪かったので、ブログ上でのお祝いができなかった。今年は順調に更新が続いているので、皆さんと共にお祝いしたい。昨年の8月からを振り返れば、わたしのポスター展も含め、幾つもの興味深いマン・レイ展が世界中で開かれた。今年は先日の服部天神での映画上映、横浜でのオブジェ展、ドイツの他には単独の回顧展情報を確認出来ていない。しかし、京都駅でのアニエスベー・フォトコレクションや京都国立近代美術館デュシャンの『泉』関連企画でマン・レイ作品を陳列されるなど、地元民として楽しませていただける機会は多い、彼の自由な発想をエネルギーにして、暑い夏をのりきって行けるのでは(後わずかです)と、感謝している。

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 さて、ここにアップしたプレキシグラスにシルクスクリーンで刷った、『セルフポートレイト』は、70年代のリメーク作であるけど、マン・レイデュシャンと同じように「創造において観客も積極的な役割をになうことをのぞんでいただけである」と自伝(千葉成夫訳、美術公論社、78頁)に書いている。本物の押し釦があるオリジナルの「セルフポートレイト」は「物笑いの種になった」と云うが、押し釦がイメージとなって優しく、透明なプレキシグラスで美しく再現された画像(穏やかになったと云う意味になりますね)を前にしても、26歳のマン・レイをわたしは想像し、嬉しくなるのである。
 上掲の作品が展示されたデンマークでのマン・レイ回顧展(MAN RAY SYN & TANKE at Øregaard Museum 2013.9.25-2014.1.26)には、『糊の時代』も並陳列されていたと云う。当時、貸し出された画廊主からカタログを頂いたので、書棚から取り出し、頁を捲って楽しんでいる。マン・レイは明治時代の生まれだから、作品もすでに古典に入っていると、最近、わたしに言った人がいて、悲しくなった。今日は誕生日、楽しく元気にやりましょう。

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L'âge de la colle 1935/1970 ed.3/3 at catalogue of the Øregaard Myseum (pp.146)