---among the painters


古書店イリノイ州

国際郵便の小包 15日現地発、22日国際交換局着、24日通関、25日京都配達済

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シカゴ北部の田舎町で、長い間探していた宮脇愛子さんの個展カタログが見付かった(11月9日)。グーグルで住所から確認すると、森の中にかろうじて家が認められる。店舗の紹介画面には、アベドン、クライン、ウェーバーブレッソンなど古典的な稀覯本写真集がずらりとショーケースに飾られている。目録をチェックするとマン・レイ関係本も多い。専門は近代美術と写真集との事、こんな森の中の店では、訪ねて行くなんて不可能、ネットの普及はありがたいと、改めて思う。
 マン・レイと宮脇愛子さんとの交流は、よく知られており、ニューヨークに拠点を移した彼女が、ベルタ・シェファー・ギャラリーで個展を開催した折に、マン・レイは、「---among the painters」とタイプライターで打ったエッセイを贈っている。杉浦康平が構成した東京画廊での個展カタログに再録されてはいるけど、1964年に印刷されたカタログが欲しいと思っていた訳。これが、なかなか、見付からないのである。

19×24.2cm  8頁 カラー刷り1葉挿入

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宮脇愛子さんの肖像写真の下には、ブルーのスタンプで「Photo By MAN RAY」

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 宮脇さんが語ったところによると、「ええ、個展をやって。ベルタもね、もうおばあさんの画廊でしたけれども。売れたんですよね。」(宮脇愛子オーラル・ヒストリー、由本みどりと小勝禮子によるインタヴュー、2009年1月10日、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ) アメリカからカタログが届いたけど、ちょうど銀座のギャラリーせいほうで「last works 2013-14」と題した、宮脇さんの展覧会が開催されている(12月2日(土)迄)。展示を拝見した友人によると、「亡くなる直前まで描いていたアクリル・油彩と旧作の展示。特に3点の油彩は絶筆にあたるそうで、心を打たれた。」と---、彼女が亡くなられて3年、古いカタログを前に、冥福を祈りたい。

ギャラリーせいほう 宮脇愛子展 案内状 10×14.8cm