『マン・レイ マルチメデイアリスト』展 at Vienna


MAN RAY MULTIMEDIALIST 26×20cm pp.240 €39.90

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昨年末にアマゾンの新刊案内でマン・レイのカタログが2月に刊行されることを知った。出品作や展示のコンセプトなどを美術館のサイトで確認すると展覧会は2月14日から6月24日の会期、ウィーン旧市街のクンストフォーラムを会場とするようで、3月の2週目頃には配本予定とあるので申し込んだ(クリックするだけだからね)。展覧会のタイトルが『マン・レイ マルチメディアリスト』とあるところからすると、絵画、写真、映画、オブジェ、書籍、雑誌など複雑多岐にわたった彼の芸術表現を、全般的に紹介するだろう事の予測はできたのだが、世界中から集めると云う150点に及ぶ作品が、どんなものなのか? このところ催される欧州でのマン・レイ展では、イタリアのマルコニー所蔵品を展覧する事が多いので、今回もその流れなのか、どうか? 有名な写真の『白と黒』や『アングルのヴァイオリン』などは、死後のモダンプリントであるようだが、ケルンの美術館からもヴィンテージの写真が出される様子、オブジェはパリの画廊、そして気になる油彩は、MOMAのコレクションから1916年の『女綱渡り芸人はその影を伴う』とペーンローズ蔵の『Man Ray 1914』(日本には1991年に招来された)といったラインナップ。ネットの情報では、これ以上は判らないので、「もしも、未見の油彩が出品されるのだったら、ウィーンまで見に行くつもりですが」と担当者に問い合わせてみた。マン・レイの油彩には、大戦中の再制作品やイメージを基にした1970年代の版画が多数存在するので、遠い異国まで出掛ける価値があるのか、心配な訳である。
 担当者の返信では「詳細な出品作については、刊行するカタログ(ドイツ語のみ)を見てほしいが、有名なところでは、他にホイットニー美術館蔵の『幸運』(1938年)を借り出している」との事だった。カタログを見てから出掛けるか否かは判断すると返事をしたけれど、「今日のウィーンはとっても寒い」と書いてきた、学芸員の顔をネットで見たりしてると、これは、ウィーンまで出掛けなくちゃと思い始めてしまって---どうしよう。


Bank Austria Kunstforum Wien Freyung 8, 1010 Vienna, Austria (グーグル・ストリートビュー)