プーシキン美術館展


国立国際美術館

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「旅するフランス風景画」との副題を持つ『プーシキン美術館展』が国立国際美術館で開催されている(10月14日まで)。備忘録をかねて興味を持った油彩を挙げておきたい。No.5 ジャンーパティスト・マルタンの『ナミュール包囲戦、1692年』(17世紀末─18世紀初め)、 遠近法には眼が喜びます。クロード・モネは上手いと感心、No.36『草上の昼色』(1866)は、まったくの3D画像であるし,No.37の『陽だまりのライラック』(1872-73)は、右側からみると最高に素晴らしい。そして、もっか原稿を書いているマン・レイの初期油彩に関連して「空間表現や抑えられた色彩」が初期キュビスムの特徴を現していると云うNo.49パブロ・ピカソの『庭の家(小屋と木々)』(1908)に足を止めた。しかし、ルソーもセザンヌもいまひとつ。プーシキン美術館の所在はモスクワ、寒い国の人たちは緑と光にあこがれるのですな。平日であるにも関わらず観客は多く、休日であったなら、どうなるかと心配するほどの盛況ぶりでした。でしたが、全般的に物足りない展覧会の印象。個人的には売店にあったセザンヌ展のポスター(1954年オランジェリー美術館)が良いと思った。価格は108,000円、眼福だけであります。