ネットバブル

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クリスティーズのHPから引用

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 4月6日(火)にクリスティーズ・ニューヨークで写真のオークションが催された。アボット、スタインケン、マン・レイ、クライン、ブレッソンメイプルソープなどを含む全88ロット。このセールにはマン・レイの写真で一番有名な『アングルのヴアイオリン』が久方ぶりに出品されると云うのでウォッチしていた。予価で200,000〜300,000ドル。しかし、特別なイメージだとしても葉書サイズで1950年代のプリント。すでにマン・レイはオリジナルのネガを失っていたので複写したものをプリントし裏面に献辞を入れ、友人のダダイストであるハンス・リヒターにプレゼントしたもの、プロミナンスはチューリッヒ古書店を営み、書誌編集者、オークショニア、収集家として知られた故ハンス・ホリガー(わたしも、彼から一点購入している)、なので、成り行きが気にかかっていたのです。本作、ポンピドゥー・センター所蔵品や、ジャイコブスのコレクションと比較すると、印画自体の品質は「いまひとつ」のレベルと思うが、一応は作者生存中の品物、物議を醸すスタンプもないので、まあ、「あっても、良いか」と、わたしなどは判断するのだが(参戦は出来ませんな)。落札結果を確認して驚いた。なんと475,000ドル、6日の外国為替(1ドル 111.29円)からすると邦貨にして52,862,750円、これにクリステイーズの手数料、著作権者への還元、保険料、送料、消費税などを加えると8千万円ほどになるではありませんか。 これは、もう異常、わたしマン・レイのコレクター戦線から完全に撤退いたします。尚、オークションの落札総額は2,193,625ドル(邦貨換算2億4,400万円)、マン・レイを除けば平均落札価格は220万円、これでは、どうにもなりません(トホホ)。