三条通り白川橋上ルのギャラリー16で、岸田良子さんの個展が開催されている(9月25日迄)。会場では彼女の初個展の仕事も「写真≒絵画/再読<カタログ>」と示され、瑞々しい感性の稀有な永続に感謝する時間だった。
岸田の初個展は1977年3月1日〜6日に、ギャラリー16で催された。資料によると展覧会は『カタログ』と題され「ハサミ、ヘヤーブラシ、パン、クツなどの拡大写真を撮り 黒のリキテックスで回りを塗り潰して平面作品を作り カタログにしてしまう」。岸田さん初期からコンセプト、ぶれていないなと感服。44年ですからね、作品のマチエールが魅力的で良いですな。経歴資料には「当時は疑似タブローと呼んでいた。日用雑貨のイコン化を目的にしている」、16での個展は42回に及ぶと云う。今回は「当時、その覚え書きとして作られた220枚のスライド(未発表)」も展示されている。
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右から『カリフォルニアレーズン』『ゆたんぽ』『蚊取り線香』『ベーコン』
左から『プラシ』『ほうれん草』『鋏』『ビスケット』
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沢山の刺激に感謝。当時の案内状(白バック)と現物(黒バック)の対比など、知的センスにあふれています。
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下図は2010年からのシリーズ『TARTANS』(格子柄)
左から『MACMILLAN』『DUGLAS, GREY』(部分)