『岸田劉生と森村・松方コレクション』展 at 京近美

f:id:manrayist:20220210104644j:plain疎水の浚渫工事が進んでいます。

f:id:manrayist:20220210104651j:plain岸田劉生(1891-1929)没後、その顕彰に尽力した森村義行・松方三郎兄弟が収集した作品群が2021年3月、京近美に収蔵(購入29点、寄贈13点)されたのを記念して、生前の岸田と交流のあった芝川照吉収蔵品も含めた展覧会が3月16日(日)まで開かれている。同館所蔵の岸田作品は「油絵24点、水彩画6点、日本画9点を含む約50点、初期から晩年まで各時期の画風をそろえ、流れをたどることのできる規模だという」

 人気の高い岸田劉生、会場には熱心なファンの姿を多く見かけた。マン・レイより生年が一つ若い岸田の時代感を中心に小生も拝見。初期作品が良いかな、以下備忘録として興味ひかれた作品を挙げる──デュシャン絡みで『明治末年築地居留地』1911年、ムンク的ゆらぎで『居留地(築地明石町)』1911年、ゴッホ的筆運びと色彩で『夕陽』1913年、セザンヌつながりで『窓外風景』1913年、マン・レイ・ブルーで『路傍』1915年、ブルトンのナジャから連想しブロンズの『手』1918年。そうした中で一番惹かれたのは『門と草と道』1916年だった。マン・レイが初個展をしたのは1915年のニューヨーク、東京などの都市生活者と、繋がる部分があるように思う。

 「愛情を生じさせる対象を凝視する」「鑑賞は研究や思考、著述、作画と一体をなす」などの岸田の眼、独特の「潰れた球体がもつ平面感覚」これらは、大正時代を想起させる。売店で絵葉書を求めた。

 

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f:id:manrayist:20220210104709j:plain絵葉書『壜と林檎と茶碗』1917年