2006.2.1-2.28 マン・レイになってしまった人

February 26, 2006
  
 朝から雨。終日資料調べ。
  
  
February 25, 2006
  
 京都中央図書館へ返却。一人10冊借りられるけど、2週間で読むのは不可能。インターネットでエントリー出来るシステムなので、書架には、めぼしいものが無い。図書館もこうした状況である。住民サービス「でもな」と本好きは思う。手許に置きたい本と、読み流したい本との区別が、資金的にもスペース的にも、本を買えない身には、難しい。二条城の辺りでは、京都観光の外人家族、そんな環境に私たちも、なりたいものだと見ながら、中心部まで自転車で走った。
  
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<< やはり失望のジュンク堂 BAL店 >> ミクシーネタですが

 ジュンク堂書店の京都BAL店がオープンしたので、さっそく行ってみた。予測通りの結果で、売場からはねられて帰ってきた。わたしにとっての「本」がなにも置かれていない。これから棚が熟成され、発見もある店になってと期待しよう。店内は、すごい人、人、人。出版社や取り次ぎの祝花を見ながら、ネットでしか、本を買えないのは、寂しいと思った。

 丸善が懐かしい、あなたは何処へ行ってしまったのと、尋ねたい気分である。あそこでは写真集のコーナーが充実し、美術評論の洋書が沢山あった。

 ジュンク堂はヨウハン仕入れの洋書、これでは何も無いのと同じだ。 街歩きをしながら、ブラブラと手にした本を買い求める、この楽しみを無くして久しい。今では三月書房でしか楽しめない。すさんだ河原町通り、文化の香りを、期待してはいけなかったのだ。

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 海外旅行のガイドブック、コーナーで捜していたら、卒業旅行でイタリアへ行くらしい女学生の二人が、棚前で本とは関係ない話しを延々と続け、隣のおじさん(悲しい)の手と視線をさえぎる。意見をするのも品がないのでやめたが、通勤電車でもあるまいしと、イヤな気分が残ったままとなった。そんなわけで、いつもの酒店でビールを買った時に、パリ農業コンクールにおいて金賞受賞とある赤ワインを一緒に求めてしまった。ビュゼ(ボルドーの南東、ガロンヌ河の左岸に位置する)の赤でロッシュ・ディヤック。説明には「豊かな果実味とフローラルな香り、濃厚でありながら滑らかな口当たりが特徴」とある。値段は980円。わたしには妥当な値段だ。

 次女が録画していた、スケートのエキジビション・プログラムを見ながら楽しんだ。
   
   
February 19, 2006
   
 
伯父の遺品整理をしていた兄から、ペリカン萬年筆#400を受け取った。インクが残っていたので吸引し書いてみる。EFだから細字用のペン先だけど、かっちりと楽しい書き味である。知識がないので、この萬年筆どのタイプになるのだろう、スーベレーンなんだろうか、一度、ショップで確認してみよう。
  
 9時前に起きて、ミクシーを書き込む。昼からは丸忠の寿司とイタリアの白ワイン、タカジンの委員会を見ながら、ああだ、こうだと飲み続ける。ヨッパらった。新幹線を寝過ごさないよう緊張しつつ京都に帰ってきた。
   
   
February 18, 2006
   
 
名古屋市美術館で特別展「『名古屋』の美術--これまでとこれから--」(3月26日まで)を観た。名古屋生まれの名古屋育ちとしては、ルーツ確認でもある訳。父親に連れられ中学生の頃には愛知県美術館日展を観たりしていたからね。記憶にある名前は鬼頭鍋三郎、出品作は「エル・モニック」。また、父が薮野正雄に特別の思い入れがあったのでどんな作風なのか確認をしたかったのだ (日展ではなかったかもしれない)、出品作は「天井画を見る」。昔のわたしにとって、油彩への入口はこうしたものだった。

 わたしが気にするふるさとの画家は荒川、河原、赤瀬川の三氏。でも皆さん名古屋を出ていますね。今回の展覧会は、公募作品を展示する第二部(2F展示室)と共に構成されているが、全体に散漫な印象を受けた。地域というくくりでは無理があるのよね。  
  
 しかし、この後、常設展示室に入って学芸員の本当の意図を理解した。常設に何気なく置かれてこそ、作品の魅力は引き出される。河原温の日付絵画「Feb. 23,1966」の深い青色のキャンバスが入り口を曲がって通路のような位置に掛けてある。全体の白い空間にじつに上手くアプローチするのだ。だから久野利博の三点「BODY DISTANCE」がはえる。荒川修作河原温で構成された空間も桑山忠明とあいまってしっかりしている。地元だけでよりそっている企画展示室の閉塞感とは対照的な時間と場所を感じた。 

 いつものエコール・ド・パリ、メキシコ・ルネサンスと楽しみながら、最後の部屋に入ったら、山本悍右氏の「伽藍の鳥籠のヴァリエーション」。いや、ひさしぶりの再会でうれしかった。この写真のモダンプリントを持っているものね。銀塩が浮いているヴィンテージは素敵だ。このコーナー「郷土の美術:郷土のシュルレアリスム」には名古屋フォトアバンギャルドの数点が展示がされている。下郷羊雄の油彩「伊豆の海」と「神様アブシュルド」(1Fで展示)が良く見えたのは、額縁が変わった為だろうか。尚、展示は4月2日まで。

 Y氏よりサンフランシスコの画廊で山本悍右氏のヴインテージ写真展が開催されるとの案内をいただいた。この画廊は、マン・レイの展覧会をした事もあるので、嬉しい。

STEPHEN WIRTZ GALLERY

KANSUKE YAMAMOTO
Vintage Photographs 1935-1955

February 15 - March 18, 2006

http://www.wirtzgallery.com/exhibitions/2006/2006_02/ky/ky_2006_frame.html
   
   
February 17, 2006
    
 
このところ忙しくて『日録』をお休みしている、ごめんなさい。

 さて、本日『美術の窓 3月号』(株式会社生活の友社)が送られてきた。同誌の「新刊案内」欄で『マン・レイの謎、その時間と場所。』を書影と共に紹介したとの知らせ。感謝感激。

 
「「マン・レイ狂い」を自認する筆者がコレクターの目を通して「マン・レイの謎」の核心に迫る。特に会場によって300点余り作品が表情を変えたという報告は臨場感にあふれ、秀逸である。著者自らが手がけたという凝った装幀や造本にも注目したい。」(134頁)
   
   
February 6, 2006
    
 
順調に『マン・レイの謎、その時間と場所。』の注文を頂いて、残部11冊となった。皆様、有難う御座います。
   
  
February 4, 2006
    
 
寒気が南下したのか終日寒い、雪模様の一日。スーパーへ買い物に出た以外は、資料を整理し、スクラップブック作業。本造りに没頭していたので2004年6月から貼っていかねばならない---資生堂でのマン・レイ展等、写真を見直しながら、臨場感が現れるまでジャズ(ビル・エバンスのタウンホール)を聴いて過ごす。