ロンドンで写真集のオークション

 昨日、ロンドンで写真集に限定したオークションが開催された。209点の出品で1億2千万円のセール、目玉はオリジナル写真157点からなるサム・ハスキンス「カーボイケート」のレイアウト資料で1100万円。マン・レイでは「ファシール」が140万円、「1929」が158万円など。

 このセールでは、スペシャリストに日本人が入っている影響か、荒木を始め日本の写真家のものが多数出品された。それで、海外での人気度、価格帯について確認したかった訳。先程、結果がわかったのでリストを発行して検討をしているところである。やはりダントツが川田喜久治の「地図」で520万円。

これから出掛けなくてはならないので、詳細は後程、報告したい。

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 わたしの所蔵本もたくさんあったので、個別の落札価格について、前段以上にアップするのはいかがなものかと思い、気が付いた傾向のみ書いておきたい。

 ブレッソンなどの海外有名写真集が日本で、騒がれるほど高くなかったのは意外。欧州の人達を中心とした日本の写真集文化に対する関心は1960年代から70年代のプロボーグの人達に向けられている様子、その一世代前の東松さんにはあまり触手が動いていようだ、わたしの好きな木村さんの一連の写真集が一点も落札されなかったのは不思議だった。セール前に出品取り消し扱いとしたのだろうか、それとも、ライカ使いの名手は欧州にたくさんいるといった判断だろうか、判らない。写真集は一冊毎の状態や、作者の献辞、オリジナル・プリントの貼付といった条件によって、落札価格が左右される、現物を手にしていないので、わたしには何もわからないが、いましばらく、熟成の時を待てば、我がコレクションにも陽が当るだろうか。

 60-70年代の写真表現者達が最初に表現しようとした、写真雑誌の素晴らしさを、わたしは取り上げたい。