写真は芸術であるって?

manrayist2007-06-25

 在パリのNさんが、昨年の冬にマリオン・メイエ画廊で開催されたマン・レイ写真展「謎の写真」のカタログを送って下さった(現地18日発)---深謝。随分前からメールで画廊に問い合わせをしていたのだが上手くいかなく、このままでは、バカンス・シーズンに入ってしまうとヤキモキしていたので、本当に嬉しい。このカタログ、戦前にマン・レイが出した「写真は芸術にあらず」の意匠で造られている。しかも、テキストの執筆がブルトンに代わってピエール・ブルジャッド。彼とマン・レイの対談集「ボンソワール・マン・レイ」の日本語版に協力したわたしとしては、喉から手が出ていた訳なのだ。

 封筒を開き、取り出してみる。これは素晴らしい。G.L.M.版のような手触りだ。諸言のシートの後、仏語、ついで英語でテキストが続く。写真シート12枚と合わせシート32枚で構成されている(ページ表記なし)。「ひとで」のフイルムから引き伸ばした、眠るキキの肖像が最初に収められているのも嬉しい。準備中のある本とドンピシャではないか。星の印刷から始まる、ブルジャッドのテキストをパラパラと読み始める。


 「残念ながらアンドレ・ブルトンにはお会い出来なかった。始めたのは1966年のことで、ガストン・ガリマールが---」