名古屋でブラブラ

 地下鉄名古屋駅で「ドニチエコきっぷ」(600円)を購入して、気楽に市内をブラブラ。まず伏見で降り、名古屋画廊の「李禹煥ドローイング展−呼吸とリズム−」を拝見してから名古屋市美へ。学芸員の山田諭さんがいらっしゃったので、先日、原稿を送った「アートペーパー77号」を受け取る。美術館が開館して20周年を迎えたお祝いに、わたしが寄せたのは「マン・レイへのドア・ノッカー」と題したものだが、女優の真野響子さん、俳優のイッセー尾形さんと隣り合わせで掲載されていたので、嬉しくなった。美術館で開催されたマン・レイ展のポスターも図版に使われていたので、重ねて嬉しい。山田さんは7月5日から開催される「「版」の誘惑展」を準備中なので、企画の意図や彼ならではのアイデアの幾つかをお聞きする。8月10日の講演「こうして展覧会は作られました」など参加したい。同展のチラシに唇を押してもらって、「版」の領域を実感した。
 地下鉄で丸の内へ出て、愛知県図書館へ。瀬戸線が走っていた時代の土居をのぞき、覆われた緑に昔を懐かしむ。中学生の頃、自転車でこのあたりまで来て、写真を撮ったな。今日の目的は戦前の京都の出版社の本を閲覧すること。ネットで調べたら3冊あって、どうしてかと思ったが、著者の住所が名古屋や岐阜だったので、納得した。そして、見返しに「下郷羊雄様 著者」と献辞の入った一冊もあった。この図書館の貴重書はコピー不可なので、じっくり、眼で記憶する。竹中郁、松尾邦之助の本なども閲覧し、必要なメモをとる。時間の余裕があるつもりだったが、バタバタと上前津へ移動し、古書店をのぞく。その後、金山橋へ。エスカレーターを上がって地上に出る時、「アートペーパー77号」に寄稿されている、旧知のYさんとすれ違う。「やあ! 元気」人との出会いは必然なんだな。
 母親としばらく、ニコニコと対面。部屋に小さな女の子がいて、母親も嬉しそう。兄といつもの一結で夕食。ホタルイカ、締め鯖などで生ビールを飲む。穴子は美味しかったけど、名古屋コーチンは外れだった。なじみの店でいただくのは、楽しい。良い気持ちになった。

 9時前に切り上げる。地下鉄の桜通り線に乗車するも、途中で寝てしまい中村区役所まで行ってしまう。これが、新幹線なら怖い。名古屋駅でコーヒーをのみ、素面モードで京都へ。でも、傘を無くしてしまったのよね。ずぶ濡れで帰宅したので叱られてしまった。おろしたばかりの上着が台無し、風邪をひかなければよいのだが。