イノダコーヒでは巡行モード

『三條廣道辺り---戦前京都の詩人たち』の特装版に使う用紙を探しに自転車で市内へ。森田和紙(東洞院通仏光寺上ル)→楽紙館(蛸薬師通高倉西入)→The Writing Shop(蛸薬師通富小路東入)→紙司柿本(寺町二条上ル)→画箋堂(河原町五条上)と回って、先日帰省した折に「紙の温度」で検討した出雲の雁皮紙で、写真を貼ってもよいものを探したのだが、詩誌「夜の噴水」にひってきするような手漉きの和紙と出会う事はできなかった。ビンテージプリントと調和する和紙が欲しいのだが無理だろうか、鳥居昌三さんが「TRAP」で使っていた静岡の紙に切り替えないといけないか、中性紙で印画紙にやさしく、厚みがあっても本文を邪魔しない紙は、ないのだろうか。柿本で染め具合がよろしいのがあったが雁皮紙に厚みを求めるのは、間違いだろうか、再度、名古屋で検討してから決めようと思った。(次回はお天気でありますように)

The Writing Shopでは、イタリアとスペインの手漉カードを薦められたけど

二条から楽ちんで五条まで(自転車だからね)下がって、画箋堂で仏蘭西の紙なども触る。洋装本に挿入する紙だから洋紙の選択もありなんだけど、本文と合わないよな、ウダウダと三条まで上ってイノダコーヒ本店へ。ひさしぶりのガーデン席。このところの通勤のお供であるジョン・ソルトの新刊『北園克衛の詩と詩学--意味のタペストリーを細断する』(思潮社、2010年11月刊)をしばらく読む。ソルトさんのアプローチ、客観的な問いかけが良く判る。同書については読了した段階で感想を書かねばならないな。噴水の水音と緑からもれる光、イノダコーヒの客室へのアプローチに掛けられている先代の油彩が、祇園祭りの巡行の絵柄、長刀鉾と船鉾のものに変えられていた。尋ねると6月から変えるとの事。京都は祇園祭りの季節になっている。

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見上げて写真を撮ったのは天井につるされているイノダコーヒ本店のライブカメラ。これ角度が微妙でガーデン席の人が映し出されたりした事があり、プライバシー的に問題かと心配していたら、最近は庭と噴水のところに調整した様子。もっとも、着席する前ににわたしも映っているはず、今も一瞬、登場しただろうな。

猪田七郎の油彩