展覧会のエフェメラ(1)

老いの整理を始めて手許に保管していた紙モノを沢山処分した(破ってゴミ箱なのよ)。マン・レイ以外は全部と決意してやっている訳だけど心は辛い。それで、せめて画像だけでも残し記憶の補強に努めねばと思うに至った。それというのも10月24日付けのギャラリーときの忘れもののブログに「次回「小野隆生1976〜2010展」を最後に、案内状の製作をやめることにしました。」とあって、いよいよ、その時がと、落ち込んだのである。北澤敏彦さんの洒落たデザインの案内状が届けられる度に嬉しかったのに、これからはメールでの配信。情報は伝わるけど、記録はなくなっしまう。50年先ドギメントがないのよ---これが辛い、記録がないのは記憶がないのも同然。郵便葉書の消印が最高のアリバイ証明なのだが、料金別納や後納、宅配業者のメール便などが席巻し、わたしのようなエフェメラ好きには、季節が過ぎ去ってしまった感が強い。わたしはエフェメラの魅力を知っているけど、若い世代に伝える事が出来なくなってしまった訳。美術品のコレクターにとっては、情報の先にある作品が人生の一切だけど、情報に偏重すると、現実の作品が手許にやってくるとは思えない、デュシャンの逆説が蔓延する、自己矛盾。面白くないな。そんな訳で、しばらく手許のエフェメラ類を紹介したい。第1回は1976.3.30-4.17、銀座にあったアテネ画廊、野村良平さんにはお世話になった。わたしのマン・レイ購入はここからのスタート、1975.7.8(火)だった。 

22×11cm pp.4 Athens Gallery