展覧会のエフェメラ(5)

次ぎに紹介するのは、同じくツァイト・フォト・サロンでの桑原甲子雄展(会期は1980.6.20-7.5) 『東京1936』、案内状には「ヨーロッパでの展覧に先立って、展示いたします。」とあり、フランス語での紹介は平木収、「"Fascinant", on ne peut dire que ce mot a propos du Tokyo des annees 1930. Ville naive. Contenue dans ces images delicates, il y a notre ami qui erre "a la recherche du temps perdu". (O. Hiraki)」。ツァイトの案内状にはいつも記念切手が貼られていて、これも楽しい。手にとって読み返す(見直す)と葉書の裏面には石原悦郎氏のメッセージで「先日のMan Rayの件は本当にどうも有難う。朝日新聞社側も喜んでいます。」と書かれている。日本で最初のマン・レイ写真集が朝日新聞社から刊行されたのは1981年(協力者の名前にわたしも含まれている)。そういえば1ヶ月程前に、「展覧会のカタログと思うが、会期や場所が判らない」と、この写真集に関する問い合わせがアメリカから入って、刊行の経緯など説明したところだった。

11.1×16cm ZEIT-FOTO SALON