お盆のお食事


ご先祖さまへのお膳は、白米に万願寺、金時豆、手鞠麩、南瓜といった献立。
このお休みはお天気が悪い。京都府南部の集中豪雨に関するニュースを観ながら、後片付けをされる人達のご苦労を思う。紙モノ好きに雨は大敵、資料の複写も湿気が気になり延期のままで、五日間の休みも最終日となった。結局、ほとんど自室にこもり次回、銀紙書房本の原稿を書いている。構成は決まっているので、一つ一つ部品を造り、積み上げる作業。読者の方に喜んでもらわなくてはいけないので、それなりのサービス、発見も必要かと思いつつの作業。東京のある画廊とマン・レイとの関係を、ドキメント風に仕上げるつもり。今回は発行部数を少なく(25部程度)し、造本時間を短縮する予定。纏めるべきテーマも多く、還暦を過ぎたので造本に使える時間が少なくなったのが理由。

『VANから遠く離れて/評伝石津謙介佐山一郎著、岩波書店、2012年3月23日 第1刷、定価3200円+消費税
原稿入力の間に気分転換で、ヴァンヂャケット創始者石津謙介の評伝を読んだ。石津は明治44年、岡山の生まれで戦時中は天津の租界で働いていたという。わたしの父親と同世代、同郷。父親も軍属で中国に居たので、当時の様子が判って興味深い読書だった。石津夫人が岡山高女出身(27頁)というので母親との親近感を持ったし、岡山後楽園の「浩養軒」の話し(30頁)も懐かしい。「岡山ではもう芸者遊びぐらいしかないんですよ。」(31頁)というのもなるほどと思う事柄だった。読書と原稿入力の間に聴いているのはiTunesラジオを使ってのバロック、何故か頭のリズムと一致するのよね。