ベルフォンドの売り立て


16.8×13.4cm. PDFファイルからマン・レイの頁だけを仕立てた冊子を作成。
アールキュリアルはシャンゼリゼ大通りのロンポワンにあるオークションハウス。現地で26日(火)20時スタートと云うから、日本では日付が変わって朝方4時、ピエールとフランカ・ベルフォンド・コレクションの売り立てが行われる。ベルフォンドはシュルレアリスム作家の挿絵本出版で知られる人で、マン・レイとも交流があった。この人のコレクションだからマン・レイも13点が出ている。欲しいと思いながら月初めからPDFのカタログを眺めてきた(ビットする場合には、ここには書かないけどね)。銀紙書房が翻訳権を取得した『今晩はマン・レイ』(関連資料を含めて昨年末の展覧会でお示しした)や、『大人のアルファベット』などの彼が刊行した本の他に、幾冊かの珍本やエフェメラが出ている。いずれにもマン・レイの献辞があって羨ましい。水彩などは彼のコレクションに入る前のオークションなどを知っているので、「ああ、買っていたのか」と思った、ベルフォンドが競争相手じゃお手上げだ。今回の出品では1930年の『自写像』(写真)がエスティメ30,000-40,000ユーロ(邦貨375万-500万)で高額となっているけど、わたし好みは、写真ならリー・ミラーの美しいお尻を捉えた『願い』、あるいは、オリジナル入りの展覧会カタログ『告示なしにあり続ける為に』といったところ。実は、カタログを見ていて、オリジナルがフォトグラーベだと知りビットを躊躇した。これは同じ出版人のジャン・ペティトリー宛て献辞入りなので欲しいと思ったのだけどね。このところの円安で1ユーロが対顧客売りで125.14円、エスティメの範囲内ならなんとかなるぞと、吠えたい気持ちもあるけどね。6時間後にはだれの手に渡されて行くのだろう。シャンゼリゼ大通りへの夢とあきらめなくちゃ。

→ 翌朝、結果を確認すると、最高価格がピカビアの油彩『お待ちします』(1948頃)で274,059ユーロ(価格には手数料と消費税を含む、邦貨3,430万円)、マン・レイでは『自写像』より『願い』の方に値が付きエステイメを大きく越えて57,199ユーロ(邦貨716万円)---みんなエロテックな作品が好きだね。『告示なしにあり続ける為に』もエスティメを越えていたので、ちょっと無理だったと納得した。マン・レイにも不落札が4点あったので、傾向と対策を吟味すれば入手のチャンスもあるだろうと思う。でも良い作品が欲しいよね。