瀧口修造展 at TEZUKAYAMA GALLERY


TEZUKAYAMA GALLERY
大阪の若者達に人気の街、南堀江にある現代美術の画廊「TEZUKAYAMA GALLERY」で、瀧口修造のデカルコマニーを中心とした展覧会が開かれている(6月14日(土)迄)。関西での個展は、神戸国際会館以来およそ50年ぶりとの事、瀧口修造を敬愛する盟友・土渕信彦氏と、国立国際美術館の島敦彦氏とのイベントが、午後3時から開かれると云うので、ワクワクしながら二階の画廊に入った。

      • -




    • -

 センスの良いニュートラルな空間に、瀧口修造の造形的実験が展示されている。凡そ35点のドローイング 水彩、ロトデッサン、デカルコマニーによる作品で、双子の作品が並んで掛けられたり、色彩的にも形象的にも惹きつけられる作品たちは、さまざまな手法でつづられ、掌の宇宙が広がっている感覚。幸い、わたしの収集範囲とズレるので安心しながらの観賞となったが、リーズナブルな価格設定の故か、多くの作品に赤い印が付いていて、喜ばしい。会場のスナップ写真を撮らせていただいた後、昼食をとりにオレンジロードにでると、画廊を訪ねる友人、知人の幾人かを見かけた。ちょっと、お祭り気分で、街が身近に感じられる。

 珈琲を飲みながら、画廊からお借りした島さん執筆の記念カタログ・テキスト「瀧口修造との出会い」を読む。ちょっと熱いペンの動きは、島さんが瀧口修造と同じ学校の出身にあたるからだろうか--

カタログは制作中との事で、テーブルにあるのは校正刷り。


ギャラリー「ときの忘れもの」の亭主と社長も、駆けつけられています。

 今日のイベントは、2つで、まず、瀧口修造が 1962年10月8日に母校(富山高校)で在校生に向けて行った講演「美というもの」の録音・再生と、土渕氏が用意された解説画像の上映。聴覚の捕捉をすることで、話の背景が判りやすく、ベストな企画だと思った。続いて4時から、土渕、島両氏によるフリートーク。講演の感想や、瀧口さんの仕事、ひととなり等を楽しく話していただいた。お二人が「美の「動機」というものがなければ、芸術はゼロに等しい」と云う瀧口の考え方に共感されていたので、なるほどと思った。

      • -

 さて、イベントでの眼福をひとつ。北画廊での瀧口修造展(1961年8月)芳名録を拝見し、東京から多くの関係者が来阪されているのを知った(新幹線開通以前)。名前の繋がりが、連れだっての訪問を現しているのではないが、東野芳明中原佑介が続いていたし、関西では竹中郁に続いて足立巻一生田耕作の前に寿岳文章のお名前だった。どの方も素晴らしい仕事をされたが、もう鬼籍に入られてしまっている(合掌)。


      • -



Ruth MacCONVILLE
美しいアイルランド女性がいらっしゃったので、写真を撮らせていただいた。お聞きするとグラフィックデザイナーで、今回の記念カタログのデザインを担当されたとのお話だった。

      • -


オレンジロードを東に向かって

    • -

 イベントの後、会場でビールやらワインなどをいただいていると、知人と再会して昔話。その後、富山、東京、四国などから馳せ参じたファンの方々と、大阪名物の串カツで一杯、ご馳走さまでした。楽しかった。