昭和文学会・秋季大会

11月18日

Kさんに誘われ関西学院大学で催された、昭和文学会の秋季大会に参加した。「モダニズム詩人の戦後と昭森社」と云う今大会のテーマに加え、『ボン書店の幻』の著者である内堀弘さんが講演されるとなると、銀紙書房の社主としては、出掛けなくちゃならない。昭和文学会は1979年の発足で、1984年から現在の名称となったそうで「昭和の文学を中心とした近・現代文学の研究を目的とする学会」で、研究集会は年2回。わたしの関心領域とは、異なると思っていたが、「モダニズム詩とリトルプレスの関係」について考える今回はドンピシャの特集なのである。
 大会は13時開始。研究発表は村山龍氏(慶應義塾大学非常勤講師)による「書物という視角から考える――モダニズム詩の戦前と戦後」と小泉京美氏(武庫川女子大学)による「〈現代詩〉についての覚書メモランダム――モダニズム詩の再評価と『本の手帖』」の二本。内堀さんの演題は「リトルプレスとモダニズム詩人」: 「戦前にリトルプレスをやった人はみんな消えていったがそのDNAは昭森社ユリイカ思潮社へと受け継がれた」として、貧困のなかで一生懸命作ったボン書店の場合や身上をつぶしてしまうほどの書物原理主義となる、アマチアならではの、アマチアでなければ作ることの出来ない「どうらく人の人脈」への言及は興味深い。内堀さんは演台で、ボン書店の「生キタ詩人叢書」の現物4冊等を紹介された。続いて、鈴木貴宇氏を中心に活発なシンポジウムが行われ、17時10分頃終了。



シンポジウム

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関西学院会館レセプションホールでの懇親会