2024年回願


先斗町、前方に東華菜館の尖塔

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 新年11日(日)から八王子の東京富士美術館で開幕する『愛しのマン・レイ』展準備に全力を注いだ一年だった。正月休みで気力・体力を蓄え6日からの会場設営に進みたいと思う。大晦日はイッパイやりながら、ぼんやり過ごす予定。その前に2024年の備忘録を纏めておきたい。


[銀紙書房]

 昨年末にリリースした『マン・レイ・イストの京都日記』(限定25部)の発送を1月中旬に済ませた後、気力が戻らず計画した幾つかを実現できないままとなった。しかし、新しい銀紙書房刊本ファンも登場してくれているので、来年は絵本シリーズをベースとする気楽な刊本で、期待に応えたいと思う。

[蒐集品]

 今年は、上述のマン・レイ展に出品する意図もあって、マン・レイの人生によりそう絵葉書を熱心に探した(凡そ25枚)。絵葉書は100年経過した貴重資料であるものの廉価で入手可能なスグレモノ。リッジフィールドの三叉路をとらえたRPPCなど、未見だった。日本国内の掘り出し物では、竹中郁がエッセイでふれていた戦前の週間朝日。また、ドイツの田舎町から1973年の珍しい版画 "I SURREALISTI" を入手した。一般的に画商に渡るとテキストとオリジナル版画は泣き別れるが、版画のフォリオ形式が完品でもたらされた例となり、嬉しかった。

 そして、蒐集品とくくるのは不適切だが、40年来の友人から再会の記念に「マン・レイの絵筆」を頂戴した。友人がマン・レイの未亡人・ジュリエットから1980年頃に贈られたもので、改めて筆者にもたらされた。これは、友人の写真作品とともに東京富士美術館展示の締めくくりとして、観ていただくつもりである。


[シエスタ]

 午睡書架の若い店主・廣瀬純和氏が発行する「シエステ」誌(書容設計: 間奈美子)に、マン・レイがらみの楽しい話を今年も寄稿した。

第3号「マン・レイのオリジナル─『アングルのヴァイオリン』」6月発行 


[ブログ マン・レイと余白で]

 1月 日本国の疲弊 3
 2月 ふるさとは 13〜17 リニア・鉄道館18〜23 
 3月 集団撮影行動 6
 4月 金毘羅歌舞伎 22-28 遠来の客人 2〜5
 5月 JAZZ 31〜6/12
 6月 中欧でブラパチ-1 出国 13〜20 プラハ 21〜7//18
 7月 中欧でブラパチ-2 チェスキー・クルムロフ 19〜21 ウィーン 22〜8/17
 8月 中欧でブラパチ-3 ブダペスト 8/18〜9/9
 9月 中欧でブラパチ-4 帰国 9/10〜21 
10月 シュルレアリスム 7
11月 京町家でデュシャン 14
12月 キュビスム展 12

 上掲は主なテーマ。マン・レイ展の準備については、カテゴリー「愛しのマン・レイ展」を新設した。

 ブログのヘッドデザインを1月から「マン・レイの墓碑」、12月からはマン・レイの「1972年のサイン」に更新。今後も楽しみながら対応したいと思う。また、カテゴリーに1970年代前半に熱中した「JAZZ」と、海外旅行が445件を超え収拾がつかなくなった為「中欧でブラパチ」と「トラム」を追加。撮り鉄を始めた頃に戻るので特に「トラム」が楽しいですね。

 今年も海外旅行の報告を3ヶ月続けてしまった。「短い旅の長い報告」と失笑をかうのを承知しながら、アップするのが面白く熱中したのですな。来年もこのスタイルを予定するが、どこへ出掛られるだろう、世界情勢だけでなく体力の衰え、── 家人ともども、現実は厳しいです。

[健康散歩] 

1月: 4,758 2月: 5,963 3月: 5,123 4月: 5,311 5月: 5,397 6月: 8,249 7月: 5,167 8月: 5,208 9月: 5,431 10月: 5,913 11月: 5,772 12月: 5,637

 「中欧でブラパチ」をした6月の歩数は異常値を刻んだが、1月はまったく気力が失せ、ひきこもり状態だった。一日5,000歩のノルマ達成を目指し、来年も旅行に備え頑張りたいと思う。蛇足ながら自由時間があった3都市では一日に、プラハ: 19,081 ウィーン: 22,474 ブダペスト: 22,515 だった。


新門前

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 年末に東人から頂戴したPR誌『ひととき』(京都── 新春骨董探検)に、歴史学者磯田道史さんの指標が紹介されていた。これ難しいです。

 

 「僕、もともと物欲が乏しいんです。あるのは情報所有欲だけ(笑)。それに、ものに情をかけると目が曇る。途中でなにかが違うと気づいても、本物だと思いたくなるものなんです。だから情けを入れないよう心がけているところはあるかもしれない」(26頁)

 

 感謝の心で しめくくり どうぞ 良いお年を (大丸百貨店)