『泉』生誕100周年企画、本日、最終日。


京都国立近代美術館 3月10日 20:29

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昨春から続いたマルセル・デュシャンの『泉』誕生100年を祝う連続企画も本日が最終日となった。毛利悠子のキュレーションによるCase-5:散生は、『ゴッホ展─巡りゆく日本の夢』の会期と重なって大混雑の中での展示だった。それも3月4日に終わって、最終週はゆっくり拝見することが出来た。デュシャンの仕事を考えると、謎解きの魅力と孤独感が重なって、西欧の終焉近くの人だと思う。終焉のまっ只中のわたしたちにすると、解釈のしようがないと云ったところが実情だろうか。作者が精液を使って描いた『罪のある風景』も所蔵先の富山県美に戻されるが、これほどの、至近距離での展示が、この先にも行われるのを期待したい。尚、美術館では記録集の準備を進めておられ、4月初旬には刊行されると聞く、楽しみである。

『泉』

『トランクのなかの箱』(『罪のある風景』を含む)と『泉』

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わたしは、「マルセル、きみは寂しそうだ。」と題してときの忘れもののブログで連続企画を紹介させていただいた。お時間がおありの方には、ぜひ読んで頂きたい。デュシャンピアンではなくて、マン・レイ狂いの視点からのデュシャン評、友達の眼というのも興味深いのではないかと思う。
(1)「271」って何なのよ 6月9日
(2)鏡の前のリチャード 7月18日
(3)ベアトリスの手紙 9月21日
(4)読むと赤い。 11月22日
(5)精子たちの道連れ 2月11日