佐藤裕一著 『フランソア喫茶室 京都に残る豪華客船公室の面影』北斗書房 2010年刊
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本書で、表題の喫茶室の成立過程や京都地裁検事・下川巌が示した「左翼的思想を有する知識人が比較的多かった」(56頁)京都の様子など興味深く読み、『土曜日』が、どのようにして広がっていったか、土地と人間とを関連付ける事が出来た。フランソア喫茶室は1937年当時「京都最大の党資金源となっていた」(62頁)という。
本書ではショートカットの佐藤留志子、琵琶湖遊覧する立野正一、若き日の宍戸恭一など。貴重な写真が沢山紹介されており、この点でもきわめて興味深い。