走泥社を結成し、「オブジェ焼き」を追求した前衛陶芸家・八木一夫(1918-1979)が、1960年代に撮影したおよそ100点のスナップ写真が、京都国立近代美術館4階のコレクション・ギャラリーで展示されている(1月16日(日)迄)。先月27日の本ブログで「意志の表情──『手』の表現」として。案内状を紹介した。
木村伊兵衛の写真をひとつの基準としてとらえていた小生は、木村だけではなくて、沢山のカメラ・パチリの人がいたのだと実感。「好奇心と優しさ、ユーモアと諧謔味」あふれる八木一夫の街頭スナップの魅力に、改めて「撮ることの楽しさ」を教えられた。アルバム14冊、写真類数千カットと云うほとんど知られていない写真を八木家での調査で見つけ、わたしちに示してくれたのは、ありがたいことである(これはキュレトリアル・スタディズ15の成果)。
尚、11月30日にカタログ『八木一夫の写真』が京都新聞出版センターから刊行されている(A5版144頁)。
惹かれた写真を書いておきたい ──『クリスマスの前に』1961年、『自宅にて』1963年、『団栗橋付近』1962年、『桂大橋付近』1962年、『知恩院三門』1961年、『国道一号線所見』1962年、『粟田口にて』1962年、『四条大宮にて』1962年、『無題(信楽にて)』1961年などなど 自宅の店先や家族の笑顔、きりがないので、ひとまず休憩。ネガをビネガーでダメにしてしまった写真好きには、羨ましい会場なのです。
写真アルバム
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八木一夫『黒陶鳥』 黒陶 1965年
八木一夫『ノー』 陶器 1972年