千種掃雲『ねざめ』1911年

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 小生も70歳になったので、京都市美術館(京セラ)の常設展示を気楽にブラブラ。専門外の日本画も季節がかさなると良いものですな。先日は千種掃雲(1873-1944)の『ねざめ』を拝見し、鴨川の情景を思い浮かべながら色香を楽しみました。竹内栖鳳の画塾で学んだ日本画に、浅井忠の洋画表現を取り入れ、模索した千種を学芸員の大森奈津子は、新時代の探求者として紹介する。リーフの冒頭を「夏の昼間、眠りからふと目覚めて上体を起こす女性。帯がゆるみ、浴衣が着くずれて胸元もはだけ、日本髪もくずれています。眠そうな目つきで一点を見つめており、目覚めたばかりでまだ頭がぼんやりしている様子です」と始めている。湿度がありますな。


 100年を超えて鴨川の納涼床は、右岸だけとなった。京阪が三条まで延伸開業したのは1915年と記憶する。