KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART. ARCHIVE Ⅰ: EPHEMERA 26.3 × 19.1 cm 512 pp.
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5月はびっくりが続く、昨日「エフェメラ愛」のどえらい本を受け取った。小生などは儚いエフェメラを手許において愛でる完結型、籠で飼う小心者なのだけど、本書では紙モノたちが絶妙なカットの写真で再現され、ひらひら飛び回っている風情、トレペなどが流行った時代の雰囲気が浮かび、紙片を開くときめき、表と裏がおりなす三次元がこたえられない。現物ではなく、図版での臨場感でここまでやるとは、制作スタッフの力量と熱気を感じます。皆さん、エフェメラ「愛」に感染してしまったのですな。この道50年の小生も、討ち死にしたのです、心より感謝申し上げます。── なんて書きながら、ドンビシャのマン・レイがないから、首の皮一枚で繋がったのかしら、エフェメラの市場価格高騰を紹介したいところです(危ない)。
このアーカイブブックは1990年から2014年まで、山梨県清里にあった伊藤信吾氏らの個人美術館の活動を伝え、その一分野である展覧会資料群の魅力を共有しようとするもので、第一巻としてクラウドファンティングの形式を使い実現された。プロジェクトの中心となった廣瀬友子は、清里現代美術館のコンセプトを作り運営した信吾氏が在命中に「これからは、エフェメラコレクションの時代だ」と予見されていた事を紹介している。そして約1000点以上という「膨大なエフェメラの山の中からご自分が魅力的であると思うものを掘り出し探し出す、そんな感覚を楽しんでいただけたらと思います」と続ける。ありがとう。関心がお有りの方は、ご確認ください。→
https://telescopeart.thebase.in/items/72092625
上掲(pp. 444-445) のシドニー・ジャニス画廊デュシャン展案内状(1959年)は、瀧口修造が自由が丘画で廊催された『窓越しに‥‥ マルセル・デュシャン小展示』(1978年)の折に構想し実現に至らなかったカタログとつながるのではないかと、思うのです。
pp. 400-401 これも良いですな