山あかりをほおばる。

 お盆休みに入った。今日から五日間である。

 家人が外出しているので、朝から快調に入力するも、昼前には疲れてしまい、買い物と風呂掃除。この時間になると朝顔もわたしもぐったり、暑い。昼御飯の後の御菓子に、頂きものの「山あかり」(注)をほうばる。濃紺の洒落た紙箱(サイズ19,6x22,1x4,3cm---マン・レイ資料の計測で物差しが手放せない)は、外箱の上に勢いのある「大」の文字が橙色で刷り込んである。箱の中には五山の送り火の炎がパッケージに印された六個の小さなどら焼き(大文字が二つ)。左右の「大」のはね方の違いなどを手にとって見る、明日は送り火、今年はまだまだ暑い。

 結局、夜の10時30分までかかって左側書棚の資料打ち込みを終えた。その最中に整理をしなければいけないと思ったのだが、移動させると後で収拾がつかなくなるから我慢する。脳内に書棚地図を書けない記憶力になってしまったからな。

 読売新聞夕刊3面に、「国際共同出版で低価格」と云う記事が載っていた。日本の出版社が海外の出版社と組んで、図版の収集や版権の処理を簡便にする方法が普及しているとの記事。直接、日本で出版を行うタッシェン社の例なども紹介されていた。美術好きとしては手軽な楽しみが増えるけど、本好きとしては、後味の悪い食事をさせられるようで、困ってしまう。図版とテキストが不一致の、詰め込み本がそこら中に並んだ本屋なんてぞっとする。その中から光る一冊をさがすのは、手が汚れるようで、いやな気分になるな。もうしばらくしたら、マン・レイのそうした本が店頭に並ぶのか。

(注)西賀茂の船形。鶴屋吉信、京の菓子暦、生菓子なので賞味期間は一週間程と聞いた。