マン・レイの京都2012年


マン・レイの京都2012年」21×14.3cm, 32頁 銀紙書房刊
● 限定100部、各冊オリジナル写真挿入 著者による限定番号・サイン入り。表紙:Aプランアイボリーホワイト93.5Kg 本文:47.5kg、写真頁:muse色上質紙(厚口)空・濃クリーム、製本:パピヨン縢り。写真台紙:バロンケント中厚口、写真:簡易デジタルプリントDSCサイズ。
昨年末の展覧会「マン・レイのパリ 1972年」を記録する小冊子の制作を続けて来た。限定100部、今回もプリンターには悩まされたが、昨日、納品をすませ終了、展覧会から日が経ちすぎてはいけないし、急いでの作業だった。
 一年間に渡る準備を経ても、観て頂いた期間は2週間(12日間)。過ぎてしまえば記憶も日々薄れてしまう。マン・レイへの私的な思い入れが、どの程度伝わったのか判らない、しかし、独自の視点は打ち出せたと思う。そして、これを、後世に伝え保存する仕掛けには冊子形式とするのが最善と判断した。最初は、カタログの用紙を変え写真頁を追加した限定版とするプランだったが、途中で、日本語のテキストをきちんと入れた、読ませる記録に変更した──展覧会については、ギャラリーときの忘れもののブログに3回に渡って発表した原稿があるので、これを使う事とした。会場写真と芳名録なども掲載し、まとまった一冊とした。題して「マン・レイの京都2012年」。今この時のマン・レイを表現する、40年の後を生きるわたしたちの報告である。
 冊子は、マン・レイが1972年のカタログに書いたテキストで示した「一緒に何かをする場合も、たったひとりの人とがせいいっぱいなのです。」に基づき、展覧会に協力いただいた方々へのお礼の意味を込め配布。会場で撮らせて頂いた「たったひとりの人」のスナップ写真を台紙に貼って挿入するスタイルとした。会場で写真を撮る機会を逸した方々、ご来場が叶わなかった方々の場合は、展示風景を捉えた写真とした。
 京都写真クラブの仲間には2月17日の「旧暦な新年会」の折にお渡、その他の方々への郵送作業もおおかた終えたので数日中にはお手元に届くかと思います。みなさん喜んでくれるかなと、制作者のわたしは気を揉んでいる(メールなどいただけるかしら)。そして、100冊の内の何冊が残されていくだろう、マン・レイ受容史の研究者や展覧会と社会との関係などを考える学者、いや、マン・レイや美術が好きなコアなファンが追い求める冊子として、将来、探される資料になると思う(著者保管は一冊だけですよ。)

マン・レイの京都2012年」66番本 挿入写真(小池貴之)

マン・レイの京都2012年」12-13頁