帝国ホテルのかけらを拝見 at 金沢

ツアー参加の皆さんお早うございます(8時7分)。

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画面右手奥の小さなシルエットは勝山城博物館(姫路城がモデル)

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勝山商工会議所で荷物を預かってもらってから、旧正月恒例の年の市をブラブラ、みなさんご当地産品を購入---。 昨日お世話になった荒井由泰氏は、地元企業の社長さんで経済界、文化界の要職を努められている。ときの忘れもののブログに寄稿された発言の中で、ご自身のコレクション展を開催された感想について「ちょっと大げさに言えば、コレクションはあくまで「預かりもの」であり、文化財を次の世代に伝える義務と責任があることを強く感ずるとともに、コレクションという行為についても考えたり、述べたりする絶好の機会にもなった。展覧会のトークの時にも話をしたが、コレクションというとお金があって、楽な遊びと見えることが多いなか、身銭を切っての真剣勝負であり、自分なりの美を追求する「自己表現」のひとつの形であることを自分なりに発信させてもらった。」と述べられていて、同じコレクター(レベルは大きく違いますが)として重くふくみのある言葉だと納得した。

勝山年の市

えちぜん鉄道 MC6100形(6103) 旧愛知環状鉄道100系

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荒井さんはニューヨーク在住の商社マンとして活躍された後、故郷に戻られて、作家を交えた美術の楽しみを続けられた。現在は病気療養中とお聞きする中上光雄さんは都会から勝山にやってこられ、地元の陽子さんと好きな美術を通した交流で、作家を支援された。陽子さんは鬼籍に入られてしまったが、楽しい事がお好きな意志は伝えられ、わたし達も素晴らしい作品を拝見することが出来た。東京と勝山の距離が、人々の情熱を支えたと思えてならない、久保貞次郎氏が提唱された小コレクター運動が福井に根付き瑛九を支えた---そんな事を考えながら勝山を後にした。
 えちぜん鉄道を使うと福井まで54分、車内では西脇順三郎の話が出たりして面白く、年の市で椅子を確保された椅子のコレクター氏は、これは凄いんですよとニコニコ顔。福井からしらさぎ3号に乗車し金沢着11時48分。昼食の後、金沢21世紀美術館を見学。

広坂二丁目

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ジャパン・アーキテクツ1945-2010展(3月15日迄) at 金沢21世紀美術館

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第1セクションの展示室14には撮影可能の表記があったので、パチリ。『建築の忘れがたみ』で知られる歯科医・一木努さんのコレクションと対面して、紙モノを中心としたエフェメラ・コレクターとしては恐れいりました。どうして断片は美しいのだろう、一木さんが、取り壊される建物を象徴する「モノ」にこだわって集められた結果なんだろうけど、インスタレーションを担当した鈴木了一のセンスを含めて脱帽した。


建築の素人(絵画でも同じ)なので、よく判らないとはいえ、先人・建築家の図面は美しい、マン・レイも建築を学ぼうとしたことがあるので、相通じる部分があるのだろうか。図面と完成イメージのコラボにも共感、絵画表現といえる白井晟一の「原爆堂」のパースに感激、綿貫氏から「模型を残す事が建築家には大切だが、良い木材を使うと、家が一軒建つ程のコストが掛かる」と聞いた。日本の建築は「絶えざる破壊と再生」からなると云うのが今回の展示のコンセプトらしい、---としても、並陳される「3.11以降の建築」展の方はしっかり拝見できなかった。巨額の資金が動く復興、都市計画の行く末が、個人主義に徹するマン・レイ的気質のわたしには、理解しにくい世界である訳。
 「現代美術と磯崎建築〜北陸の冬を楽しむツアー」の皆さんと別れ、お茶屋の志摩へ寄ってポチ袋を購入しようと思ったら、間違えて「にし茶屋街」へ行ってしまった。茶屋街に「にし」と「ひがし」があるとは知りませんでした(恥ずかしい)、それでも、アクシデントは旅の楽しみ、市内を楽しくドライブできました(Rさん有難う)。東京からの新幹線が開通すると、ますます、観光客が溢れる金沢の街になると思いつつ、4時前に金沢駅へ戻り森八の長生殿生〆を求め、在来線特急サンダーバード34号大阪行きに乗車、福井と京都にしか停車(乗車時間2時間8分)しないのだから早い。---楽しい一泊二日でした。皆さん有難うございました。また、ご一緒いたしましょう。


ひがし茶屋街

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サンダーバード34号 京都着18時9分