巴里新興美術展覧会 目録 雑記

会場での目録 パチリは許可を頂いた。

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 京都文化博物館で催された『シュルレアリスムと日本』展が昨日(2月4日)終わった。今展は熱心な担当学芸員の頑張りで作品・資料とも大変充実した内容となり、シュルレアリスムに関心を寄せる者として楽しく・日参させていただいた。改めて感謝申し上げる。
 最後に「見ておこう」と肩の力を抜いてブラブラしていたら、名古屋市美術館所蔵の「巴里新興美術展覧会 目録」表紙下段に、訂正紙が貼られているのに気がついた。これ、左側に展示されている石川県商品陳列館の目録を訂正して使ったものだったのです。会期・会場記載の下に薄く「何か」が記されているので、不思議に思ったところ、フランス語の会期(5-12 mai 1933)と不一致だったのです。これまで、何度も眼にしていたから、節穴だったと反省しきり。「m」が小文字なのも不自然なんですよ。
 エフェメラの面白さは、制作の経緯や流通の状況を「思い描き」時代に身を置く臨場感にあると、わたしは思っている。東京から始まり、大阪、京都、福岡、熊本、大連、金沢、名古屋に巡回された(と云う) 巴里新興美術展覧会の、会期と会場、目録のサイズ、売約作品などを改めて確認せねばと、── また、忙しい。先行研究の資料はダンボールの中なので、時間をつくらなくちゃ。

 


巴里新興美術展覧会 目録 石川県商品陳列館 個人蔵

 

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[備忘録]

東京 1932.12.6-20 上野公園 東京府美術館(現・東京都美術館)
大阪 1933.1.15-22 中之島 朝日会館
京都 1933.1.25-29 岡崎 勧業館 
福岡 1933.2.15-21 日々新聞社講堂 *
熊本 1933.2.26-3.5 熊本勧業館 *
大連 1933.4.1-7 大連商工会議所廻廊 *
金沢 1933.5.5-12 兼六公園内 商品陳列館
名古屋 1933.6.24-29 公園 名古屋市美術館(現・名古屋市公会堂) 

*目録未見(表紙画像含む)、
 名古屋の目録は江上明氏旧蔵資料(名古屋市美術館保管)