愛しのマン・レイ展 出品:281, 282 / 275, 277, 280, 284
1970年代後半に鏡面アルミ板に作品「インジケーター」を朱色で刷った時代を感じるデザインのカタログを手にしたのは、美術批評家の中村敬治先生のお宅だった。板の手触り、反射の具合、しびれましたね、欲しかった。
ハノーヴァー画廊は、1948年6月〜1973年3月31日までロンドンにあった前衛画家を扱う画廊。ドイツの美術専門家と収集家が組んで開廊、1953年投資家のマイケル・ベーレンス(Edward Michael Behrens 1911 – 1989) )に引き継がれた。フランシス・ベーコンの最初の取扱画廊で、デュシャン、エルンスト、ピカビア、ジャコメッティ、マティス、ミロ、マン・レイなどの巨匠の他、新人の発掘にも尽力したようである。
ハノーヴァー・ギャラリー - マン・レイと余白で
展示したエフェメラ(カタログ、ポスター(壁面右から二番目)、案内状)は、マン・レイとジャクリーヌ・ハイド撮影の写真をミラノのセルジオ・トシが構成・デザインしたと推測され、スタイリッシュで気持ち良い。カタログとポスターに会期記載がないものの、案内状には「油彩と我が愛しのオブジェ」展として1969年6月5日〜7月4日の日付が記されている。出品作は大判を中心とした油彩13点、オブジェ10点。コブリー画廊で発表したテキスト「すべての質問に答えて」(1948年)が再録されている。

* 会場撮影は関係者の許可をいただきました。感謝申し上げます。