愛しのマン・レイ展 出品: 292, 293〜306
(左) 20世紀画廊の購入申込書、アンナ・ド・ノエール
銀座のアテネ画廊でマン・レイの版画を買ったのが「マン・レイに狂った始まりだった」と、折りに触れお伝えした。今展の会場には画廊主の野村良平さんが「すでに売れてしまった」と言った、版画集『時を超えた貴婦人たちのバラード』全14点が並べられている。わたしが買ったのは、これらの表紙、アンナ・ド・ノエールの肖像だったのです。誰かを選んでいたら、その後の展開は異なるものになっていたでしょうね。表紙だったから、空白を埋めたい心理が働いた── そのように思う。
展覧会にアンナを貸し出さなかったところ、50年前にアテネ画廊で同席した友人が「あの版画はどうなった」と尋ねてくれた。懐かしく嬉しいことだった。「家に掛けたまま、離れたくないのよ」
貴婦人たちの多くは写真を元に描かれている。作者は縁日にあったような拡大器を使ったあとペンを入れたかもしれない。アテネ画廊の案内状に用いた「セーラ」や、天地逆で版画にした「マルガリータ」など、それぞれの物語については、いずれ報告したい。
[重複しますが、ブログで紹介]

* 会場撮影は関係者の許可をいただきました。感謝申し上げます。