長生きすることですね……

撮影: 村中修

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 展覧会のカタログに寄稿した「展覧会のエフェメラ」で、サークル画廊(ロサンゼルス、1944年)のカタログが展示・即売されたヴェネチアの大運河沿いのベニス・ホテルに言及した。トークショーでも紅白二分冊で刊行されたアランガリオのカタログを映してもらった。

『bonsoir, man ray』展 at ベニスホテル−マン・レイと余白で

 

前方印ベニス・ホテル
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 前述した寄稿文やブログなどで、2020年7月18日に93歳で亡くなった旧蔵者のヤーヌスについて言及した。エフェメラの落ち葉を五枚拾った後、泣いていた小生でしたが、ダニエル画廊(1927年)に続き、今展開催中の2月にシュルレアリスム画廊(1928年)のエフェメラも入手することができた。そして、2週間後にロンドン画廊(1938年)のものも拙宅にやってきた。「想像上の父」の粋な計らいに愚息は泣いております。

「マン・レイ 1944年」展 - マン・レイと余白で

『光の涙』から生まれたあなたは、 - マン・レイと余白で


 ヤーヌス編著による『マン・レイ 全著作集』(1981年)、213頁に図版掲載されているロンドン画廊のマン・レイ展案内状。── アランガリオのカタログ番号18は、パリから8日間で拙宅に届きました。拍手。

コレクション 整理番号 403810 
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 アランガリオの目録二冊はマン・レイの個展エフェメラを中心に1914年〜76年に至る92点を収録。この時点での小生所蔵エフェメラは61点中45点。そして、ヴェネチアでの展示即売会から2年半、投機的に買い占められたものが、売れずに流通する印象を持つ、幾つかの古書店サイトで見かけるのです。リストに有りながら注文すると売約済と返答されたものもあり、最初から、わたしに打診してくれたならと、またしても泣いてしまうのです。結局、グッサーゴ、ニューヨーク、ロンドン、パリの業者から内8点を確保、残り8点となった。執念ですね、長生きしなくちゃ……